【d!】they love【z/m】

28 _ no no ページ11

「しんぺい神っていう人がそこにいるの。

これからどうしたいか、決めてほしいんだって。時間を巻き戻すか、それともこのまま来世が来るまで2人で待つか。」




私は彼の後ろにいるペ神をを指さし、問う。



「…ペ神、さんか。」



ゾムはじっとニコニコ笑みを浮かべているペ神を見た。彼に見つめられているペ神の顔が少々赤くなっている気がして、なんだか寒気がした。

そして、こちらにまた目線を戻しゾムは提案した。



「時間を巻き戻そうや。ずっと前まで。

俺とAが出会わなかったことにして、俺達の記憶も失くしてあの時、会わなかったことにして。」




彼は予想外な発言をした。




「…え？な、なんで!?」



来世まで2人で過ごすって、そう思っていたのに。それに、私とゾムはあの時会わなかったことにして、記憶も失くす？

意味がわからず、思わず聞き返す。



「…グル氏はあれでも俺達の命の恩人や。彼がいなければ二人とも全く別の人生を歩んでいたやろ？それに、俺達…いや、Aがいなければああやって狂うこともなく、普通に統治してくれるはずや。

俺達が会わなければよかった。それだけで解決するって気づいたんや。

んで、俺達の記憶を失くす。そしたらみんな幸せになれるやろ？」



ゾムの言う通り、グルッペンには感謝してもしきれない程の人だというのは痛いほど知っている。それでも、




「…そんなの私が認めないから。

もっといい案があるよ！

ゾムらしくない意見出さないでよ。もっといい案があるよ！！だからもっと考えよ。ね？」



私達が出会わなかった方がいいのは間違ってる。そんなことゾムは絶対言わないはずだ。もちろん私も。

ゾムは何も言わず、こちらから目をそらした。

29 _ sorry→←27 _ meeting again

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す