続き ページ33
「残念ながら、姫様の願いでもそれは出来へんな。」
「ひめさま、って。」
「だから、俺たちは前世で誓い合った恋人やで？ずうっと二人だけで過ごそうなって言ったやん。だから邪魔者になりそうな奴は殺しただけや。」
彼は何度もそう言う。私じゃない私の話を永遠とする。貴方は私の事を姫様として認識しているけれど、私はそうじゃない。見ず知らずの人に、見ず知らずの人と私を重ね合わせている。この人にとって私は彼女に喋りかけるための物なのだ。そうか、これも呪いか。いや、呪縛とも言うべきなのか。いっそ私を見てくれれば、私も壊れる事が出来たのに。姫様って、誰よ。私が姫様なら早く思い出させてよ。ねぇ。
本当は知っていた。好きだと声をかけた彼はただの自己を満たしためのものであったのも、暴力を奮った両親は物として見ていたのも。誰も、誰も私を見てくれない。
「私をみてよ。」
「見てるやん。」
パーカーの男はニヒルな笑みを浮かべ私のおでこにキスをする。なぜか氷のように冷たく感じた。また、私じゃない誰かを見た。もう、疲れた。今までの事もこれからの事も。私はもういらないんでしょう？誰からも必要とされないんでしょう？
じゃあ、もういいよ。これが最善の答えじゃなくても。それでも、これしか答えがなかったから。
「久しぶりね。」
「…！」
「大丈夫、私は【姫様】だから。」
「ほんまに、思い出したんか…？」
思い出してなんかいない。それでも、思い出したと自分で自分に催眠をかければいい。私は彼の望んだ姫様。私が姫様になれば彼は私自身を見てくれる。
彼の言葉が真実か虚言かはわからない。けれど、そうすれば私を見てくれるよね？嘘偽りのない言葉で好きって、言ってくれるよね？
これも犯罪ではなく呪いと言えば丸く収まって、全部全部許されるから。これが私にかけられた呪い。永遠に解けない呪い。
「ずっとずっとあなたの事が好きだったわ。」
とてもとても嬉しそうな顔をする彼に精一杯の笑顔で笑った。転がっている死体と異臭を見ないふりして。心の奥底で泣きわめいている自分に蓋をして。
ーーーーーー
お久しぶりです。気分で更新。やはりシリアスっていいですよね。久しぶりなのでぐちゃぐちゃですが大目に見てくれると嬉しいです。
終わり
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凛桜ぽん(プロフ) - ラヴァルト・ティアマットさん» お返事が遅くなりすみません。了解です！少々お待ちください…。 (2019年3月3日 22時) (
レス) id: 8b759a8a6d (このIDを非表示/違反報告)
ラヴァルト・ティアマット(プロフ) - あ。(e/mさんの尊さに息を引き取る音)(続きをリクエストしたいですお願いします) (2019年3月2日 20時) (レス) id: 02311fe25d (このIDを非表示/違反報告)
凛桜ぽん(プロフ) - しあ。さん» 9.9になる前に7.7の時期がありまして…。よく分かってないんですよ今のところ…今は何も無いみたいですね、ありがとうございます。 (2018年12月9日 23時) (レス) id: 8b759a8a6d (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - 私の表記だと9.9/10(46票)と表示されています、なんらかの不具合でしょうかね？ (2018年12月9日 23時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
凛桜ぽん(プロフ) - しあ。さん» すみません、誤字です。直させていただきました。いつも読んでいただいて幸いです！大好きなて勿体ないです…ありがとうございます…。 (2018年12月1日 20時) (レス) id: 8b759a8a6d (このIDを非表示/違反報告)
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