うらたルート16 あーん ページ38
(作者のあまり好まない流れでお話が幕を閉じようとしているので、ピュア枠のつもりだったうらたさんで遊びます)
昼食。
私はうらた君と二人きりでお弁当を食べていた。
「…」
ふと感じる視線。
それは、私の箸に挟まれている卵焼きに注がれていた。
「…食べる?」
「…っいいの?」
食べるか尋ねると目をキラキラさせていかにも嬉しそうにこちらを見るうらた君。
っあああああああ可愛い何この生き物!!
という心の叫びを隠しつついいよ、と頷けば上がる口角を必死に抑えようとするうらた君の何とも言えない表情。
っあああああああ可愛い以下略。
卵焼きを彼のお弁当箱に置こうとすると、箱がひょいっと退けられる。
不思議に思い彼の顔を見ると、不貞腐れたように赤らんだ頬を膨らませていた。
っあああああああ以下略。
少しして、あー、と口を開けるうらた君。
…これはもしかするともしかしてもしかしなくても、
あーん、を求められている…!?
「あ、えと、それは、」
「…喉乾くんだけど。早く」
わたわたしていると、彼が痺れを切らしたように言う。
再度口を開け卵焼きを待つうらた君。
何そのあーん待ち顔っあああ略。
観念して、一口で頬張るには少々大きい卵焼きを自分のお弁当箱の中で半分に切り、片方を彼の口の中に優しく入れた。
うらた君が口を閉じ、ゆっくりと箸を引き抜く。
どことなくこの箸が色っぽいというか、羨ましいというか、…いやそんな変態的な思考は放っておいて。
彼はもぐもぐと卵焼きをよく噛み、飲み込んだ。
そして、にこりとこちらを向く。
「ん、甘くて俺好み。美味しい、ありがとう」
マジで俺の彼氏が可愛いんだけどどうしようか。
お弁当のおかずの中で唯一自分で作った卵焼きを褒められてしまったら多少浮かれるのは仕方ないだろう。
なんて頭の中であれこれ考えていると、彼からとんでもない申し出が。
「じゃ、俺のウィンナーもやるよ」
ウィンナーを挟んだ箸が、こちらに向けられる。
それじゃ、お言葉に甘えて。そう言って口を開くと、近付いてくるウィンナー。
あと少しで 口に触れる、というところでひょい、と遠のくウィンナー。それはうらた君の口の中に半分ほど収まった。
え。
うらた君が噛む度に見せつけられるように動く、口内に収まらなかったウィンナー。
ぽかーんとする私。
唖然としていると、突然。
しょっぱい味が口内に広がった。
619人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨上がりのcrew(プロフ) - お体に気を付けて更新頑張ってください−!! (2019年8月6日 18時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 彩葉さん» センラーさんにそう言っていただけて、嬉しい限りです!応援に応えられるよう頑張ります、コメントありがとうございました! (2019年5月1日 13時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 私の推しセンラさんなんですけど、センラ先生最俺にも出ててマジで好きです!引退されるのはとても寂しいですが、最後まで応援させていただきます! (2019年5月1日 12時) (レス) id: ca54fe217e (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 浪音さん» 大変おまたせしました!今の所は引退を考えていますが、寂しいと言っていただけるととても嬉しくも思います。ゆっくりにはなりますが、これからも読んでいただけるならば、頑張って更新します!コメントありがとうございました! (2019年4月11日 17時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
浪音 - 羽飛さんこれ完結したら引退しちゃうんですか...( ´-`)どうでも良い話ですが防音シェアハウスにて暴走中の時から応援してたので少し寂しいです。残りの更新頑張ってください!!応援してます!!! (2019年3月28日 20時) (レス) id: a925fc985a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:羽飛 | 作成日時:2019年1月23日 17時