21曲目 誰の特別 ページ21
「ん…」
物音で目が覚める。
長く眠っていたようだ、部屋は真っ暗で、目が慣れるまで少し時間を必要とした。
寝起きでぼーっとするが、もう熱の辛さはだいぶ和らいだように感じる。
「お、起こしてしもた？」
すぐ横から声がしたのでそちらを見ると、センラさんがベッド座っていて、笑顔で手を振ってきた。
そうだ、私センラさんと志麻さんに看病(？)してもらってたんだ。
センラさんに向かって、頭を下げる。
「今日はありがとうございました、だいぶ楽になったと思います」
「ん、ならええよ。
…因みにAちゃん、寝起きのところ悪いんやけど、
今の自分の状況、わかっとる？」
顎を持ち上げられ、顔と顔の距離が近くなる。
センラさんの整った、綺麗でどこか色っぽい顔が私の視界いっぱいにあるのだ。
私は思わず息を呑んだ。
「今ね、夜中なんよ？2時や。皆もう寝とる。
ただでさえ防音なんや、いくら叫んでも誰も来れへん。…気付くことすら、できひん」
いつもよりも低く、ゆっくりと囁くような声に、
私の胸は警告をするように早く鼓動をうちつけた。
「センラさん…？」
「何でやろう。何でこんな思いになるんやろう。
最初はただ一緒のシェアハウスに住んでるってだけの他人の筈やった。今だって、そう思ってた筈やった。
なのに、どうして君が特別に感じるんやろう」
口説き文句というよりも、それは苛立ちをぶつけるように言葉を吐き捨てているように思えた。
顎に合ったセンラさんの手が私の頬を撫で、反対の手で私の肩を掴む。
「他の皆もそうや。皆最初は君のことなんて、なーんとも思っとらんかったのに。気付いたら、皆君を大事にしとる。
妹、なんかな。娘、なんかな。君にどういう感情で思っとるのかまだわからへんけど、皆、君が特別なんや」
優しい口調、優しい表情に対して、低くて有無を言わせない声、どこか冷たく感じる瞳、そして私がどれだけもがこうと決して逃げることはできないであろう、強く肩を握る手。
私は何も言うことも、動くこともできなかった。
「…俺、大事な物はみーんな、自分の物にしたくなるんよ。
やから、きっと。今は大丈夫でも、いつか君のことを俺だけの物にしたくなる。」
頬を撫でていた指が、私の唇に触れた。
「覚悟、したってや」
そう言うと、センラさんは私から離れ、おやすみ、と一言残し部屋を出て行った。
…覚悟って、何のですか。
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あおい ��(プロフ) - 占ツクやり始めたときむっちゃこの小説ハマってました！再会できた…！！ (2020年7月19日 16時) (
レス) id: 119598e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 通りすがり鳥さん» ( ﾟдﾟ)ﾊｯ!ミスでした、ありがとうございます！こっそり直しておきますねw私は愛してま（殴 (2019年3月6日 15時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり鳥 - あの、32ページの夢主さんが勝ったところスマブラになってます(小声。 わざとでしたらすみません。 好きです。(突然の告白 (2019年3月5日 16時) (レス) id: 86c8c9bd63 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - ゆっさん＠志麻リスさん» おいでませ志麻リスさん！！私は志麻さんのた行が好きです！（一日で！ありがとうございます！甘い話にも気合いを入れて頑張ります！ (2018年11月30日 22時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
ゆっさん＠志麻リス - 志麻リスです!!!!!面白かったです!（甘い話が特に）1日で前編と後編一気に見ました！更新待ってます！ (2018年11月29日 18時) (レス) id: 2296e0564f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2018年11月2日 19時
