禁じられた森04 ページ49
夜、十一時になる少し前にロンと共にハリーたち三人と談話室で別れを告げると、セレナは間を空けて談話室から出ようと扉に手をかけた。
そんなセレナの行動にギョッと驚いたロンは、慌ててセレナの腕を掴んだ。
「セレナ!何してんの!?君まで点数を下げに行く気か!」
「ロン、落ち着いて?私が何も手を打たずに出ていくと思う?」
「そりゃあ...まあ、思わないけど。...だったら、どうやって出ていくのさ?」
「まあ、見てて...」
ポケットから液体の入った小瓶を取り出すと、セレナはその液体を半分ほど飲み込んだ。
するとセレナの身につけた物諸共、みるみるうちに透明になっていき、ロンは顎が外れるんじゃないかと思うくらいあんぐりと口を開けた。
「それじゃ、行ってくるわね」
未だに固まった様子のロンを残して、セレナは扉をゆっくりと閉じた。
外に出ると、ヒュウッと全身が凍りつくような寒気さを感じ身震いした。
もう少し厚着で来れば良かったと後悔しながらも、ハグリッドの小屋に足を運ぶ。
以前、禁じられた森に行くには小屋の近くからだと、フレッドとジョージに教えてもらった事があるからだ。
高台からハグリッドの小屋を見ると、光が七つ揺らめいていた。
...良かった、まだ森に入っていなかった。
慎重に近付くとフィルチだけは城に戻るようで、セレナは慌てて足を止めてしまった。
しかし薬の効果は抜群のようで、すれ違いざまにあのギョロりとした目がこちらに向くことも無く、フィルチの後ろ姿を見つめながらホッと息をついた。
漸く森の入り口に着いた頃には、光がそれぞれ分かれて森の中へと入っていった後だった。
ガサガサと草木を掻き分ける大きな音がする方は、たぶんハグリッドだろう...。だとすると...?
「左ね...《ルーモス》」
セレナは奥の方で揺れる光を目指して歩いていくと、ユニコーンが無惨な姿で倒れていた。
息を潜め、早くハリーたちの元へと向かおうと歩くスピードを早めたその時ーーー。
「「ギャァアア!!!」」
少年たちの叫ぶ声が森中に響き渡る。
そのけたたましい叫び声によって、木に止まっていた鳥たちが一斉に翼を広げ暗闇へと消えていき、木々は嘆くかのようにガサガサと枝葉を揺らし恐怖心を更に駆り立てた。
ゴクリと生唾を飲み込み、セレナは一気に走り出した。
走っている途中に、クラッブとゴイルとすれ違い何故か更に悲鳴をあげていたが、お構い無しに走り続けた。
すると月明かりに照らされた一角で、蹲るハリーに黒い影が近づいていく姿が見えた。
セレナは杖先の光を消して影に杖先を向けた...。
「《プロテゴ!!!》」
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レン(プロフ) - pecoさん» pecoさん、コメントありがとうございます!夢主ちゃんには暗躍してもらって笑この長年続く因縁に決着つけて頂きますので、これからも夢主共々この作品をよろしくお願いします (2022年11月21日 20時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
peco(プロフ) - マルフォイ可愛いくて大好きです!夢主ちゃんにはぜひスリザリンとの溝脇を埋めて欲しいです!更新楽しみにしてます! (2022年11月21日 19時) (レス) @page40 id: 513ec929f7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - チーズバーガーをチーズぬきで!?さん» コメントありがとうございます(*^^*)更新遅めですが、楽しんで頂けたらと思います!これからもよろしくお願いします! (2022年10月13日 21時) (レス) id: b7c954aa2e (このIDを非表示/違反報告)
チーズバーガーをチーズぬきで!? - セブルスが親だったら確かに厳しく育てられそうなイメージがあります。あっ、最近見始めました。ハリー大好きなので、ハリー落ち嬉しいです!今後の展開、ワクワクします(*^O^*) (2022年10月13日 18時) (レス) id: 658ba4281a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レン | 作成日時:2022年9月4日 21時