みぞの鏡09 ページ32
二人のそれぞれの想いを映す鏡に、二人は夢中になってしまったようだ。
お互いが僕が見る番だ！と主張がヒートアップしそうになった時、二人の頭にセレナからの手刀が落ちた。
「少しは冷静になったらどう？私たちは罰則を犯してまでここに居るの。見つかって鏡どころか退学になって、皆と会えなくなるわよ」
あまりにも正論な言葉にハリーとロンは顔を見合せ気まずそうにセレナに謝ると、今度はセレナの番だと言わんばかりに鏡の前から立ち退いた。
二人の無言の圧力にしぶしぶセレナは鏡の前に立つと、じっと鏡を見つめた。
すると、ユラユラと鏡の中が歪み、ゆっくりと映し出されたのはセレナに似た髪色と目の色をした女性。
その女性はセレナの肩にそっと手を添え、セレナを見て愛おしそうに微笑んでいる。
それだけではなく、女性の左隣には緑色の目をした女性と鉤鼻の男性、幼くも綺麗な顔立ちの男性。
右隣には四人の男性ーー綺麗な顔立ちの男性がくしゃくしゃの髪の男性と仲良く肩を組み、ライトブラウンの髪の男性、小柄な男性がその姿を見て微笑んでいたーーが次々と現れた。
セレナの顔がくしゃりと歪む。
「ハリー、ロン。この鏡は危険よ、早く帰りましょう」
「セレナ...？」
二人はセレナの突然の発言に困惑した。
彼女は一体何を見たというのだろう...。分かれば優秀な君の言う通りに、そうだねと言って大人しく寮に帰るかもしれないのに。
しかし、セレナは一言も何を見たのかは告げず《すつうを みぞの のろここ のたなあ くなはで おか のたなあ はしたわ》と、鏡の周りに記された文字を睨みつけ吐き捨てるように読むと、二人に涙を流しながら訴えた。
「これは自分の望みを映すだけよ、ハリー。決して望みを叶えてくれる鏡じゃないの。人の望んでいるものを魅せて惑わせて......
...こんなの、残酷過ぎる」
膝から崩れ落ちたセレナをハリーとロンは慌てて支えた。
いつも明るく怒った時はおっかない彼女の珍しくも弱々しい姿を見て、これ以上この部屋にいるのはやめておこうと透明マントをそっと被ってゆっくりとその部屋から出ていったーーー。
寮に戻ると、セレナは二人にありがとうと呟いてフラフラとした足取りで談話室のソファに座りこむ。
その夜、ハリーとロンはセレナを間に挟みソファで寝ることにした。
セレナが寝る前に『私にはハリーとロンとハーマイオニーがいれば幸せだから』と放った言葉の意味をハリーは頭の中でグルグルと考えながら微睡みの中に落ちていった。
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レン(プロフ) - pecoさん» pecoさん、コメントありがとうございます！夢主ちゃんには暗躍してもらって笑この長年続く因縁に決着つけて頂きますので、これからも夢主共々この作品をよろしくお願いします (2022年11月21日 20時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
peco(プロフ) - マルフォイ可愛いくて大好きです！夢主ちゃんにはぜひスリザリンとの溝脇を埋めて欲しいです！更新楽しみにしてます！ (2022年11月21日 19時) (レス) @page40 id: 513ec929f7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - チーズバーガーをチーズぬきで！？さん» コメントありがとうございます(*^^*)更新遅めですが、楽しんで頂けたらと思います！これからもよろしくお願いします！ (2022年10月13日 21時) (レス) id: b7c954aa2e (このIDを非表示/違反報告)
チーズバーガーをチーズぬきで！？ - セブルスが親だったら確かに厳しく育てられそうなイメージがあります。あっ、最近見始めました。ハリー大好きなので、ハリー落ち嬉しいです！今後の展開、ワクワクします(*^O^*) (2022年10月13日 18時) (レス) id: 658ba4281a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2022年9月4日 21時
