ニコラス・フラメル02 ページ35
「ドラコ・マルフォイ、ちょっといい？」
図書館で一人本を読んでいると、いやに落ち着き払った声で名前を呼ばれた。
顔を上げると、無表情のセレナが腕を組んで立っていた。
その視線で察した。
たぶん、ロングボトムの事だ。
僕は大人しく本を棚に戻して、大人しく彼女について行く。
…彼女に、誤解されたままは嫌だ。
お互い無言のままに連れて行かれた場所は、人気の少ない空き教室だ。
重々しい空気の中、最初に口を開いたのはセレナだった。
「ドラコ。今から聞く質問に正直に答えて頂戴」
「…わかった」
「ネビルに呪いをかけたのは貴方なの？それとも他の誰か？」
ブルーとグレーの瞳が交差する。
「僕じゃない」
これが他のグリフィンドールの奴らなら、僕の言葉なんて聞かずに問答無用で攻撃しているんだろう。
…だけど僕は彼女を信じてる。出会ったあの日、一人の人間として扱ってくれた彼女は、僕にとって《特別》なのだから。
だからほらーーー
「わかった」
ーーー僕の言葉をちゃんと聞いてくれる。
「それで、何があったの？」
緊張を解いたのか壁にもたれ掛かったセレナに、僕が見た数十分前の出来事を話した。
図書館の前で、グラッブとゴイルがロングボトムに《足縛りの呪い》をかけていたのを目撃したこと。二人に寮でお菓子を配ってる奴がいると声をかけて、気をそらせたこと。呪いを解こうとしたが、いつの間にかロングボトムが消えていたこと。
すると、セレナが小さくごめんなさいと呟いた。
「少しでも貴方を疑ってしまったもの。…ごめんなさい、ドラコ」
「君は僕の話を聞いて判断するつもりだったんだろ？
それに案外君は猪突猛進な所もあるしね。そう言うと、少し頬を赤くして気まずそうに目を逸らす。
そんな可愛らしい一面を見れたことに、僕は満足そうに微笑んだ。
「まあ、でも。少しでも君の罪悪感が無くなるなら、一つだけ僕の願いを叶えて欲しい」
「…内容によるけど、良いわよ」
僕の言葉に少し警戒するセレナに、簡単な事だと苦笑する。
「君はすぐ危険なことに首を突っ込みたがるからね、何か困ったことがあれば僕にも相談して欲しい。…僕個人じゃ出来ることは少ないかもしれないけど、それでも君の力になりたいんだ」
これは僕の本心だ。
僕を一人の人間として見てくれて《友達》として扱ってくれる彼女に恥じない生き方をする為に…。
するとセレナはゆっくりと優しく微笑んだ。
「わかった。ドラコにも色々相談しちゃうね」
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レン(プロフ) - pecoさん» pecoさん、コメントありがとうございます！夢主ちゃんには暗躍してもらって笑この長年続く因縁に決着つけて頂きますので、これからも夢主共々この作品をよろしくお願いします (2022年11月21日 20時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
peco(プロフ) - マルフォイ可愛いくて大好きです！夢主ちゃんにはぜひスリザリンとの溝脇を埋めて欲しいです！更新楽しみにしてます！ (2022年11月21日 19時) (レス) @page40 id: 513ec929f7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - チーズバーガーをチーズぬきで！？さん» コメントありがとうございます(*^^*)更新遅めですが、楽しんで頂けたらと思います！これからもよろしくお願いします！ (2022年10月13日 21時) (レス) id: b7c954aa2e (このIDを非表示/違反報告)
チーズバーガーをチーズぬきで！？ - セブルスが親だったら確かに厳しく育てられそうなイメージがあります。あっ、最近見始めました。ハリー大好きなので、ハリー落ち嬉しいです！今後の展開、ワクワクします(*^O^*) (2022年10月13日 18時) (レス) id: 658ba4281a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2022年9月4日 21時
