Destiny 4

story20-4 ページ29

慧side


うちの末っ子たちが看病をしてくれたおかげでまだ熱は下がってはないものの、具合は良くなったみたいで学校へと出勤した宏太。
学校の先生は休めないからってみんなの反対を押し切って家を出た。

確かに俺が学生の時に先生が病欠だなんてあんまり聞いたことなかったなぁ……


そのせいか、なかなか平熱に戻らなくて夜になると動けないくらい体調が悪くなる日も。
でも朝になるとけろっとして学校へ行くという繰り返し……


実は、その一方でまだあの事は続いてて……


光 「慧、あいつ起こしてきて。」


慧 「え、俺が…？やだよー。絶対俺が起こしても起きないもん。裕翔起こしてきて！」


裕 「俺、まだ準備できてないから圭人パス！」


圭 「お、俺！？……え、、、」


光 「じゃあ、もう放っとこう。自分で起きないのが悪いんだよ。」


いつもは光が大貴を起こしに行くんだけどここ最近は誰かが日替わりで起こしに行ってる。

もう一週間以上も喧嘩してるし……

だいたい次の日には仲直りしてることが多いんだけど、今回は二人とも素直になれなくて謝る機会を逃してるんだと思う。

喧嘩は収まらないし、宏太も体調不安定だし、どうにかならないかなぁ……


そんなことを思っていた最中、ついに最悪の事態が起きた。


その日の夜、みんなご飯を食べ終えてリビングでゆっくりしてた時のこと。

また光と大貴の言い合いが始まり、そろそろみんな嫌気がさしてきてた。それは二人も同じようでこの一週間の間にだいぶストレスが溜まってた。


光 「おい、いい加減にしろよ！」


大 「もう！触んなって！！」


光が大貴の肩を掴んで、それを振り払おうと大貴が光を押すとバランスを崩して戸棚にぶつかった光。
その衝撃で並べてあった昔の家族写真、母さんと父さんの写真立てが落ちて粉々になった。

さすがに二人もヤバイと思ったのか静まり返ったリビング。


宏 「なぁ、いつまで続けるつもりだよお前ら。」


絶対に怒らせてはいけない人までも、ついにうごかしてしまった。

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