国宝級センター３ (ページ23)

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勝利side

いつもジュニアや先輩の楽屋に入り浸ってるAが今日はなかなか来ないから、と色んな人が俺たちの楽屋を訪れてくる。

それで事情を話すと、瞬時に動き始めてくださった先輩方。

しばらくするとさっき楽屋に来た橋本くんと塚田くんが椅子に乗ったAを引き連れて戻ってきた。

塚田「到着したよー！あとはみんなにお任せします！」

橋本「A、素直にメンバー頼るんだぞ？」

そう言い残して楽屋からいなくなった先輩。

健人「A。今日のレッスンどうする？」

最初に口を開いたのは健人くん。

A「今日は、見学してもいい…？ごめんね…」

健人「そうだね、今日はそうしよう。大丈夫だから謝らないで？」

風磨「たまにはさ、俺たちのレッスンを客観的に見てもらうのもいいんじゃん？」

A「…うん、」

自分で言ったものの自分の中で納得するのにはまだ時間がかかるみたい。

眉間にしわを寄せて俯いてるAに、

健人「悲しい？悔しい？それとも辛い？」

A「………悔しい、」

健人「何が悔しい？レッスン出来ないこと？」

A「…それもだし、みんなに迷惑かけることも、自己管理出来ないのも、身体が思うように動かないのも、全部っ、全部悔しいっ…！」

健人「そっか、Aは頑張り屋さんだから頑張りすぎたんだよね。だから少しだけ神様からお休みしなさいって言われてると思って、少しの間身体を休ませてあげよ？」

さすが最年長の健人くんはお兄ちゃんみたいに優しくAに語りかける。

するとAの目から大粒の涙が止まらなくなった。

風磨「ほら、泣け泣け。悔しいよな、我慢せずにいっぱい泣け？」

A「っぐすっ、悔しい…なんでっ、……なんで、」

Aがメンバーの胸でこんなにも感情をむき出しにして泣くなんてすごく珍しい。

たまに涙を見せることはあったけど、デビュー前から今までAのこんな姿は二人きりの時にしか見たことない。

なんか寂しくもあるけど、結成7周年を迎えてメンバーをやっと頼ることができるようになったんだなって。

今回は個々の成長もだけど、グループの結束力も高まってますます成長できると実感した出来事だった。