国宝級センター３ (ページ18)

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健人side

翌日、少クラのリハでレッスン室に入ると俺より先にAの姿があった。

そのあと続々とメンバーも揃い、話題は自然と昨日のつづきへ。

風磨「痛みはどう？昨日よりマシになった？」

A「うん、もう歩けるし昨日に比べると全然大丈夫。」

風磨「そっか、それはよかった。それで病院の先生なんだって？運動はできんの？」

いつものごとく、風磨の尋問が始まる。

厳しいようだけど、俺らからきちんと聞かないと絶対に言わない奴だから、風磨なりの優しさなんだよ。

A「…ちょっと今回はしばらく動くのはダメって言われちゃった。でもミュージカルのこともあるしとりあえず経過観察だって。」

風磨「そっか。ミュージカルのレッスンはどうするの？」

A「1週間は見学で、それから様子見て始める予定。もう本番始まっちゃうからね。笑」

風磨「分かった、じゃあちゃんと休めよ？」

1週間見学するのか…

Aにしては今回すごく譲歩してるな…

いつもなら何をしてでもレッスンも本番も休まず突っ走るのに。

そして、飲み物を買いにAが部屋を出た後加藤マネから詳しく話を聞く。

勝利「いつもみたいに病院で揉めなかったの？」

加藤「そりゃ、ミュージカルのこともあるし休めないってAはめちゃくちゃ交渉してたけど、今回ばかりはそうはいかなかったんだよ。」

風磨「相当酷いってこと？」

加藤「本人はあんな感じだけど、ドクターストップが覆らないほど今回は良くないみたい。

今日だってよく見てたら動きも違和感あるし、昨日痛み止めの注射打って、今朝も薬飲んでるはずだからね。」

勝利「本人大丈夫って言ってたけど…？」

加藤「正直、自分の荷物も持てないくらいだからな。だって今日あいつ手ぶらだろ？多分、病院から処方されたコルセットつけてないと動けないと思う。」

病院で診断された病名は腰椎分離症。

しかもAの場合、結構前から痛みはあったみたいで無理をしたのか疲労骨折しかけてるらしい。

だけど今は経過観察しか方法はなくてどうしようもないんだと。

俺たちが思ってたより事態は深刻だった。