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2人とも身支度を終えて遊園地に向かう。
電車で行くことにしたんだけど、わりと朝早いのもあってかかなり混雑していた。
私は茜とはぐれてしまわないように反射的に手を繋いだ。
ギュッ
すぐに力強く握り返される手。あったかい。昨日から思ってたけど、茜って意外と体温高めなのかな?普通の人よりあったかい気がする。
というか手を繋ぐなんてなんかドキドキ…ここ電車だし、なんか緊張する。あくまでもはぐれないため、はぐれないためだから…そう言い聞かせるも一度意識してしまうとそう簡単におさまらない。
なんとか電車を降りて遊園地に到着。チケットももらってさっそくジェットコースターに乗ることにした。
茜「A!あれからいこ!!」
ハイテンションで目をキラキラさせた茜に引っ張られながら私達はいろんなアトラクションを楽しんだ。コーヒーカップではさすがにぐるぐる回りすぎて吐き気がしたけど…笑 私と茜は絶叫系ガンガン乗れるタイプだから休む間もなくたくさん遊んだ。気がつけば夕方になっていて、お化け屋敷に行くことになった。
A「茜はお化けとか苦手?」
茜「うんすごい怖い。でも来たがりなんだよねー笑」
あーなんかわかる。怖いけどやってみたい的なあれね。
さっそく中に入る。私もどっちかというと怖いけど、泣き叫ぶほどではないというか、悲鳴もあげず無言で突き進みたいタイプかな。
でも隣の茜はすごい腕にくっついてくる。やっぱり怖いのかな?
いろんなお化けが出てくるけど、さすが最近のお化け屋敷はやっぱりレベルが高くてかなりリアルにできていると思う。ずっと耳元で甲高い悲鳴が聞こえる笑
茜「やっぱむりぃ…」
涙目になった茜がしゃがみこみそうになるから腰を支えてあげる。怖がりさん、かわいい。とことん甘やかしたくなる。
なんとかゴールまでたどり着いて、茜をベンチに座らせる。
A「大丈夫?茜。なんか飲む?」
茜「大丈夫。ごめん思ったより怖くて。」
A「私も予想より怖くてびっくりした笑」
茜「だよね笑」
A「でも怖がってる茜かわいかったなぁ」
茜「っ...もう。」
照れたように目を逸らす。その動きすら愛しい。あーもう、ほんとにやめてほしい。どんどんすきになって、どんどん苦しい。でもあたたかい。こんな感情になったことない。
すきって、言いたい。
茜をすきになってから何回思っただろう。この気持ちを素直に伝えられたらって。
今、伝えたら、どんな顔してなんて言うの…?
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作者名:結冬 -yuto- | 作成日時:2019年1月19日 14時