2ー32高尚な精神 ページ35
「大丈夫じゃ。この程度のかすり傷、Aの負った痛みに比べれば無傷同然じゃからのう。そう心配するでない、お主の方がまた倒れそうな顔をしてどうする」
「で、でも…」
"大丈夫"
私にそう言ったリリアさんの顔と声は、先程と打って変わってとても柔らかくて、暖かい声色と表情をしていた
気が付けば、私は涙を流していた
今まで一度も見たことがなかったのもあるけれど、何より…この方は、信用してもいいんだって、そう思えたから
初めて、身近な方を信用出来たから…
シルバーくんも、セベクくんも、悪い子じゃないけれど、マレウス様に忠誠を誓っている。彼の護衛や家臣を目指す様な2人、だからこそ信用してはならない
いくら根がいい子でも、彼の事を正義だと思っているから、だから…親代わりのリリアさんも、信用してはいけないと思っていた
でも…リリアさんは異変に気づいて、私に手を差し伸べようとしてくれている。それなのに私は…勝手に決めつけて、敵対視して冷たくしてたのに…リリアさんの方こそ、その事に気付いていた筈なのに―――――
私は、、貴方になんて酷い事をっ…
「物を投げ付けるとは…わしはお主をその様に育てた覚えはないぞ。恥を知れ」
マレウス様の方に目を移したと思えば、リリアさんから笑顔は消え、いつもより低い声で淡々と話していた
「恥だと?僕は間違っていない、愛しき子を躾て何がいけないんだ?
そもそもこんな男子校にAを入学させるよう根回ししたお祖母様がいけないんだ!!お前に婚約者がずっと好色の目を向けられる僕の気持ちがわかるか…?
僕だって辛いんだ……頭の中がおかしくなる。あたりを見渡せば皆Aに釘付けだ、だから他の男の目につかないように印を付けてきた。だから僕は辞めない、これからも、ずっとだ」
「はぁ…お主に異性の扱い方を教えなかったわしの失態じゃな。ここまで落ちこぼれるとは……
よいかマレウス、お主がやっている事は世間でDVと言われている。将来を共にする相手に暴力を振るい力でねじ伏せることを言うんじゃ。
お主は今までAに何をしてきた?
婚約が決まり初めて会った日にAの生娘を同意なしに一方的に奪い、心と身体に傷を付け、NRCに入学するまで部屋に閉じ込め、他の男と少しでもいれば子奴の身体に八つ当たりをした。……もう見過ごすことは出来んぞ、マレウス」
「違う、僕は、、僕は間違っていない!!!」
To Be Continued⏩
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パンパース - イドラさん» それな (9月30日 10時) (レス) @page37 id: 57f94a8f60 (このIDを非表示/違反報告)
イドラ - とても面白いです\(^_^)/ (2021年3月3日 9時) (レス) id: 4692e257b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:JK | 作成日時:2020年9月26日 22時