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どく、どく、どく。
一定のリズムを刻んでいた心臓が、段々とはやくなって主張を激しくする。紙に水気の多い筆を滑らせたように、じわじわと生温い心地良さを孕んだ感情が私の内部を駆け巡り、色をつける。
優しい。
手つきが、優しい。
ううん、手つきだけじゃない。
体温とは違った、手のひらの奥に含まれてる別物の存在。ついこの間までは触れることも許さないというような棘のある態度で、突っぱねたような冷たさを孕んだ言い方で。他人には見せる笑顔＿＿＿＿なんて私に見せることはなくて。他の人は踏み入ることができる可能性があっても、その土俵にすら立つ事が許されなかった私が＿＿＿＿向けられることはないと思っていた温度の矛先が、今、こちらに向いている。
訊いてしまいたいと思った。
なんでここまで変わることが出来たのか。とか、誰の言葉で一体そうなってしまったんだろうとか。含んでいる感情を、キレイさっぱり全て吐き出してしまいたいと思った。
愛情の裏返し、とか。
言われたってそういうの、よく分かんないし。
「角名は、なんで私のこと＿＿＿」
最後は上手く言えなかった。
言葉を噛み砕いて、呑んでしまったから。唇がかさついて、噛むと少し痛い。無難な選択といえど、こんなの自分で言うのは間違ってる。聞く権利はさすがにあるんだろうけど、さすがに堂々と聞けるほど肝っ玉が座っている訳では無い。
伏せているから、角名がどんな表情をしているかは分からなかった。けれど、息を呑む音はきこえた。自然と手に力が入る。
「なんでって、好意に理由っている？」
予想外の返事だった。
予想外すぎて、恥ずかしがってたことなんかも全部忘れて、顔を上げて、角名を見た。カフェラテの入ったグラスが目いっぱいに広がる。
「誰かを好きとか、嫌いとか、そういうのに理由って要らないと思うんだよね。まぁ、俺の考えだけど。気がついたら好きになってたとか、よくあるじゃん。確定した理由なんてなくても、自分が好きって思ったら、それは好きなんだと思うよ。」
一拍、呼吸を整えると私の目を見る。ああ、この表情覚えてる。体育館裏であったときと同じ瞳。吸い込まれそうになるほどの真剣さを漂わせた、そんな瞳。
「俺は、それがセンパイだっただけです。」
ぐらり、心臓がまたもや音を立てた。
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一ノ瀬(プロフ) - あみみさん» 沢山のコメントありがとうございます涙持ちうる語彙力で書き殴った結果アーメンに辿り着きました。笑私も推しとばったり遭遇シュチュになってみたいものです、、きっと目の前にしたら色気でやられてしまう気がしますが。笑ちまちまですが、更新していきます！ (2020年6月21日 17時) (
レス) id: 7dc834a05f (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - アーメン。めっちゃ面白いです笑笑なんかツボります笑 これからも更新を無理のない程度で頑張ってください！応援してます！！！ 私もいつか推しに会えるように祈ります、、アーメン。 (2020年6月21日 14時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬(プロフ) - あみみさん» キュンキュンしていただけて嬉しいです(;_;)表現には自信が無いので、そう言っていただけて有難いです(;_;)(;_;)(;_;)遅筆になりますが、完結に向けてこれからも頑張っていきたいと思います、！ (2020年6月16日 19時) (レス) id: 7dc834a05f (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - もう、、ヤバいです！！角名くんにキュンキュンします！！これからも更新頑張ってください！応援してます！！！ (2020年6月16日 8時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬(プロフ) - あみみさん» コメントありがとうございます(＾＾)こんなノリと勢いで執筆してしまったｎ番煎じネタか分からない作品をそう言ってくれて有難いです。これからも頑張ります〜！！ (2020年6月14日 19時) (レス) id: 7dc834a05f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：27(にな) | 作成日時：2020年6月11日 17時
