【HQ】好感度がカンストした。

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※名前固定のオリキャラ出ます。
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ふと、そこまで考えて息が詰まるような想いになる。

なんで私は今、角名の機嫌を損ねたくないって思ったんだろう。別に角名のことなんてどうでもいいじゃないか。人の機嫌取りなんて、私の性分じゃない。

へらへらと薄ら笑みを浮かべて、人に合わせ、本音を腹底に秘めながら、まるで川に流される葉のように生きる。そういう生き方も悪くない。ある程度人に合わせることもおべっかを使うことも大切だ。だけど、私はその生き方がどうも苦手で、それと正反対の生き方をしてきた。



『あ〜もうどうしようっ！さっき一宮くん話しかけてくれたのに意識しすぎて上手く喋れなかった』

中学の頃、友人に好きな人ができた。名前は一宮くん。下の名前はー……ユウキとかユウタとかそんな名前だった気がする。正直覚えていない。

一通り話を聞いてみると、どうやら水道で遭遇したらしく、どうしようかと悩んでいるうちに一宮くん自ら話しかけてくれたらしい。けれど、テンパって上手く話せなかったというのだ。



あのとき、なんて返したっけ。


朧気な記憶の輪郭は、


鮮明に、

明瞭に、

ハッキリと、

なぞることはできる。

しかし、その大事な部分が、片鱗が、ぽかんと抜けてしまっているせいで、完成するはずのパズルも、ひとつの物語になるはずの小説も、なにもかも、未完成のまま。クソみたいに不格好な記憶。けれど、何となく今の自分ならわかってしまうような気がする。思い出すことができなくても、顔の作り方とか、雰囲気とか、前後の言葉とかで少しだけ、想像できた。そして、落胆。



＿＿＿＿＿＿ああ、最低だ。私。

分からなかった。理解することが出来なかった。汲み取ることができなかった。＿＿＿＿いや、分かっていた。何となく理解していた。言葉の裏に秘められた感情を少しは汲み取っていた。


アホな感情、無意味な感情。

ぐるぐると頭の中で渦巻いていた感情は当時の私を支配した。何に対しても自分の意見が真っ当だと信じて疑わない＿＿＿青臭いガキの私。処理する前にバッサリと切り捨ててしまったのだ、友人の思いを。

傷ついた顔。夏の夕焼け。暑いはずなのに暑くなれない体温。伸ばした手。吐き出した言葉。赤い頬。


＿＿＿今だから分かる



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『馬鹿らしいね』


猛毒を含んだ槍みたいな言葉だった。




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