同居人の天才君【urt】

ちーと6 ページ8

寝ずに部屋の中の部屋にこもる。
2畳くらいの防音室。
キーボードとマイクと録音機材しかない。

magnetを1人で聴き込んで1時間。

とりあえず歌詞を一通り口に出して
どこにどんな思いを込めるか印刷した歌詞表に走り書きしていく。



…後で読みやすい感じにしてうらたさんに共有しとくか。コンセプトみたいなのわかった方がいいだろうし…





ーーーー

ーー


朝4時。

「こんな時間…」


帰ってきてから3時間。
そろそろちゃんと歌わなきゃ…



水を飲んでマイクに向き合う。




「…うらたさんとの…動画…」



一緒に住んで、いつ私が女とバレてしまうかわからないのに。
相談すらしないほど不安がなくて
ないってのはうらたさんの気遣いに感じない気遣いがあるからで。
男前な貴方がいい感じに歩くスピード合わせてくれてるんだろうなぁってなる。


手が届いちゃいけない人なのに、届いて。


……はぁ。








@だーやま

次の投稿分撮ってます。
誰とコラボでしょうね。
今から本番です。


|

@だーやま
曲の提案はだーやまです。
そして、この曲を身分差の恋愛と解釈していたのに
それをコラボ相手に提案しただーやま。
この手があなたに届いちゃいけないのに、なんて思いながら歌います。




続けてリプにそう呟いては、なんだかなぁってツイ消しをした。



活動者である以上、自分を出しすぎてもなぁと。




なんて、携帯を置いて録る。



「不安で泣いてしまう私に」


『大丈夫？』



「と囁いた」





なんて心が詰まりそう。



うらたさんに生かされてる理由をそろそろ
公開した方がいいのだろうかとかもう色々考えながら歌ってて息も絶え絶えになってくる。

まぁ、歌いきったけど！！
使えるかな…なんて聞き返す。


今の自分史上一番うまいんじゃないかって出来。
あとはもううらたさん聞きながら微調整でもありだなぁ…そうしよう。


データをパソコンに移す。



「…もう5時なるの…」


順調に進むバーを見ては首を鳴らす。
そうだ…仕事の準備しなきゃ…


保存を完了させたところでパソコンも閉じて防音室を出る。

付箋に【とれたのでデスクトップにデータ貼ってます。聞いといてください】と書いて貼っておく。
リビングに置きにいく。


風呂はいって、ご飯作っておいて出るか…

ちーと7→←ちーと５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す