実験体は逃げ出したい【降谷零】

非常事態の鐘がなる ページ35

「飼い主に従順になるよう洗脳」


「と言ったら君は怒るかな？」


「残念ながら俺はそう言う教育を受けてきたもので痛みなどは平気ですよ。」


痛みには少し鈍い俺。視覚的痛みは無理だけど。洗脳の類いは効かないと思う。


「まぁ時間はまだある。洗脳じゃなくとも反抗する気力を奪えば良いさ。」


男はそれを言い残し部屋から出ていった。


男が出ていった後に辺りが煙に包まれた。


「(睡眠ガスか？何故…)」


一瞬目の前が真っ白になって体全体の力が抜けた。何だこれ。自白剤か？


ぽーっと考える力も無くなってきたが一生懸命理性を保つ。この煙は何だろうとか何時まで焚くつもりだろうとか。





数分後には煙は消えたが体に力が入らない。初めての感覚だ。これが麻酔打たれたときのような感覚なのか？


考えていると扉があき又さっきと同じ男が入ってきた。


「おや。あんな強力な薬でも耐えるのか。」


素晴らしいと拍手が送られるが今はそれ所じゃない。


「これは高値で売れそうだ。」


「此処に置いておくのは勿体無い。明日にでも出品する。手配しておけ」


と後ろの奴に命令する。下がっていく手下たち。俺どうなるんだろう…


不安の中意識を飛ばしてしまった。

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