実験体は逃げ出したい【降谷零】

情報なくとも ページ34

何かの話し声がして目が覚める。


だが気絶したふりをしたまま辺りを軽く見回す。どうやら地下のようだ。足音が響いてる。


そして今俺の状態は壁と繋がれているようだ。


「〜〜…売りは〜」


売り？商品ということか？何を商品にするか。麻薬とかの取引なら俺を此処まで連れてくる意味はない。


更に言うと見てすらいないから殺すもあり得ない。と言うことは猫に関係することか？


猫を違法で売買？それならその猫の飼い主です。と言えば良い話だろ。


……何か予想したくない予想をしてしまったんだが。


「どうです？今はまだ眠っているようですけど商品としては高ランクでしょう？」


「(でーすーよーねー！！？)」


よし。ずっと寝たふりは…流石に無理か。どうしよう。完璧にタイミングを損ねた。


暫く俺を見ていった後彼奴等は何処かへ行ってしまった。


「どうにかして逃げ出さないと」


ヘアピンも何もないからピッキングができない。しかもまだ手足の痺れが残ってる。最悪な事態だ。


「くっそ。携帯も取られてんじゃ連絡のつけようにも…」


「お目覚めかな」


手錠に意識していて気が付かなかった。と言うよりも気配を極限までこの人は消していて気が付けなかった。


「此処は何処だ。」


敵意剥き出しで睨み付けながらスーツ姿の男をみると、男は笑いながら俺に近付いてきた。


「君たち商品は常に最高の状態に置いておかなくてはならない。」


「つまり？」


「そうだな…」

非常事態の鐘がなる→←これも全部。

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