片思い 19 ページ21
少しだけ時間はかかってしまったが、なんとか気持ちを落ち着かせることは出来たので、そのまま屋上を後にし、部室へと向かった。
「初日から大幅な遅刻って、やっぱり印象悪いよね…」
女の子達に言われたことはもちろん心残りではあるが、今はそれ以上に初日から部活に迷惑をかけてしまったことが気掛かりだった。
ふぅ、と一息ついて、部室のドアノブに手をかける。既に練習は始まっているので、もうきっとグラウンドにいるだろうと思っていた。しかし、扉を開いた先には心配そうにする秋と円堂くんが待っていた。
「A…！大丈夫？何もされなかった？」
「秋から話は聞いたぞ！大丈夫か…！？」
「秋、円堂くん…ッ」
心配そうな二人の表情に心が動かされる。落ち着いていたはずの涙が、また溢れ出しそうになるのを堪えながら、こくりと首を縦に振ると、二人とも安心したように肩の力を抜いた。
「本当によかった…！Aに何かあったら私、どうしようって心配で…」
「秋、ほんとにありがとう」
「円堂くんもね、Aのことを心配だって、私と一緒にここで待っててくれたの」
「円堂くん…ありがとう。そして迷惑かけちゃってごめんなさい」
「気にすんなって！Aはもう俺たちの仲間、雷門イレブンの仲間なんだ！困ったことがあったら助け合うのが当たり前だろ？」
「キャプテン…っ！」
仲間だと言ってくれる円堂くんはとても温かくて。やっぱり堪えきれなかった涙がほろりと溢れだしてしまって、それを見た二人は慌てるように私に駆け寄ってくれる。
「A！？大丈夫か！？」
「A、無理してない？大丈夫？」
「ごめん…っ、二人の言葉が…嬉しくて…ッ、」
突然泣き出してしまった私に、二人は優しく背中を摩ってくれて、そして安心させてくれるような言葉を投げかけてくれた。それがまた嬉しくて、それで涙が止まるまでに少しだけ時間がかかってしまって。
しばらくして、ようやく落ち着いた私に二人は優しく微笑みかけてくれる。そして円堂くんは私の名前を読んだ。
「A！サッカーやろうぜ！」
「…！うん！」
きっと私のせいでたくさんの迷惑を掛けてしまうだろう。それでも円堂くんの言葉は魔法のように、私をワクワクさせてくれる。吹雪くんと関わらないことはチームにいる以上不可能だからどうするか、まだ分からないけれど、サッカーをしている間は自由にプレーがしたいと強く願ってしまった。
続く
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mini @ 気まぐれ返信ごめんなさい(プロフ) - 戦術の皇帝さん» 遅くなってしまってすいません。たくさんの感想ありがとうございます〜！のんびり更新野郎ですが、よかったらこれからも気長に待ってもらえると嬉しいです。よろしくお願いします〜 (2020年9月3日 0時) (
レス) id: 7bdd47b866 (このIDを非表示/違反報告)
戦術の皇帝 - 吹雪士郎から名前変えてみました。楽しく見させてもらっています。更新頑張ってください。楽しみにしています。 (2020年7月2日 23時) (レス) id: 2920096cab (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 楽しく見させてもらいました。続き楽しみにいています！更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年5月20日 19時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪士郎 - 毎日楽しく見させてもらっています。更新頑張ってください。応援しています。 (2020年5月16日 12時) (レス) id: 2920096cab (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - いやー。面白いです！今は、コロナウイルスが流行っていますが、お身体に充分気を付けて更新してください。 (2020年5月15日 19時) (レス) id: cba8b0a420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mini | 作成日時：2014年3月30日 16時
