片思い 17 ページ19
そして遂に放課後になる。
秋は「やっぱり私も一緒に行くよ」と声を掛けてくれたが、こんなことで大切な親友を巻き込んでしまうのも心苦しくて、やんわりと断った。
「ほんとに何かあったらすぐに連絡してね。絶対だよ？」
「うん、ありがとう。じゃあ行ってくるね」
キャプテン達に少し遅れる旨を秋に伝えてもらうことにし、進まない足取りで屋上に足を運んだ。
普段から施錠されていない屋上の扉は簡単に開いた。そして既に朝に声を掛けてきた三人は揃っているようで、腕を組んで来たばかりの私を睨みつけている。
「逃げずに来たわね」
「部活があるので要件は手短に話してください」
今すぐにでも逃げ出したい気持ちをなんとか抑え、鋭い視線に逃げまいと平常心を取り繕いながら強気に述べる。するとそれが気に入らなかったのか、はたまた嘲笑っているのか、女の子達は小馬鹿にするような態度でこちらに言葉を飛ばした。
「分かってるくせに生意気ね」
「ほんとほんと！あたしそういうのきらーい」
「まあまあ落ち着いて…単刀直入に言わせてもらうわ。貴女が士郎様に何をしたのかは分かりませんが、不要に近付かないで頂けますか？」
物腰柔らかな言い方ではあるが、トゲのある言葉に嫌気が差す。やはり彼女たちが言いたいのは昔の嫌な記憶を蘇らせるようなことであった。
こうなることは分かっていたことだった。私みたいなパッとしない人間は、サッカーなんて男の子の多い場所にいてはいけない存在なんだ、なんて。そんなマイナス思考な事ばかり思い出してしまう。
それでも今の自分には、自分が必要だと言ってくれた吹雪くんやキャプテンの言葉がある。それだけが勇気を与えてくれた。
「そんなつもり一切ありません」
震える足を踏ん張って、彼女たちに立ち向かう。あの頃の逃げていた自分とは違うんだから。
それでもそんな態度がさらに気に入らない彼女たちは徐にこちらに近付いてきてはドンッと私の肩を押した。
突然のことに思わずよろめいて、そしてそのままその場に崩れてしまった私は、必然的に彼女達を見上げる形になっていて。
「調子乗ってんじゃねぇよ」
「そーだそーだ！」
「貴女、今の状況はお分かりで？まあもし分からないってなら相当なお馬鹿さんでしょうね」
クスクスと笑い声が聞こえてきて、侮辱されているのだと思わず眉間に皺を寄せ、睨みつけるような表情になってしまう。
──
続くよ
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mini @ 気まぐれ返信ごめんなさい(プロフ) - 戦術の皇帝さん» 遅くなってしまってすいません。たくさんの感想ありがとうございます〜！のんびり更新野郎ですが、よかったらこれからも気長に待ってもらえると嬉しいです。よろしくお願いします〜 (2020年9月3日 0時) (
レス) id: 7bdd47b866 (このIDを非表示/違反報告)
戦術の皇帝 - 吹雪士郎から名前変えてみました。楽しく見させてもらっています。更新頑張ってください。楽しみにしています。 (2020年7月2日 23時) (レス) id: 2920096cab (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 楽しく見させてもらいました。続き楽しみにいています！更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年5月20日 19時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪士郎 - 毎日楽しく見させてもらっています。更新頑張ってください。応援しています。 (2020年5月16日 12時) (レス) id: 2920096cab (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - いやー。面白いです！今は、コロナウイルスが流行っていますが、お身体に充分気を付けて更新してください。 (2020年5月15日 19時) (レス) id: cba8b0a420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mini | 作成日時：2014年3月30日 16時
