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そこまで！ と教官から声がかかったのは互いがボロボロになってからだった。
そこまで、と言われればそこまでだがこの男は止まるだろうか？ ぐ、と押さえ込まれたまま男を見ていれば、フッと彼は犬のように人懐こい笑みを浮かべて手を差し出してくる。
「……あ"ー頭痛、お前おもろいやんエンダ……やっけ？ 友だちになろうや」
ア、なるほど、認めた相手には懐が広くなるタイプか。うわ、よく見たら顔良いなこの男。グルッペンもなかなかだったがこれはまた正統派な色男に逐一驚いてしまう。私もいちいち過去のことを気にするようなたちではないので仲良くなるために名前も聞いておこうとその手をとって立ち上がり「僕はエンダ・アーノルド、君の名前は？」と聞き返してみる。
「コネシマ、コネシマ・ハイドリヒ。親は名誉貴族や」
「ああ、だからか……」
「お前も苗字持ちってことは貴族やろ？ 純正貴族、なんか？ 他の奴らとはまた違うような……」
「僕は孤児院で貰われた、元々は小さな村で暮らしてたよ」
「なるほど道理で貴族にしては気安いわけか」
「君もね」
互いに遠慮ない物言い、砂埃で汚れて2人して流血やら痣やらでボロボロだ。目を合わせて思わずプッ！とどちらともなく吹き出せば、教官に睨まれた気がした。かなり後ろの方にいるとはいえ、私もハイドリヒも目立つ容姿だ。気を付けないと。ハイドリヒもそれが分かったのか休めのポーズをしてぎゅっと口を閉じる。
それから教官がぺらぺらと長いこと話してからちょっとすれば全員解散！との号令がかかる。今日は教官が軍から呼び出されたらしく早めの自由時間が貰えた。ちょうど時計は12時を差していて、全員の足は食堂へと向かう。ぐ、と突然肩にかかる重み。隣にいたハイドリヒだった。
「ハイドリヒ」
「んな堅苦しい呼び方やめろ、コネシマでええから。一緒に飯行こう」
距離の詰め方がすごい、もう親友みたいな距離感だ。元オタクなせいからか距離の詰め方に危うく心のシャッターを閉めそうになったがギリギリ耐えた。
もう女、とは言わなくなったし、友だちはいないよりいたほうが良いだろう。いいよ、と言えばくコネシマは嬉しそうに笑う。
なんてわかりやすく、素直な男なんだ。
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臓臓臓(プロフ) - 早桃さん» コメントありがとうございます！ゆっくりではありますがまちまちと更新していきますのでこれからも何卒よろしくお願いします！ (11時間前) (
レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めちゃくちゃ好きな作品だ！作品の雰囲気とか作者さんの物語の描き方とかもう全てが好きです💖これからも無理せず更新頑張ってください！応援しています📣次の更新楽しみ！ (5月4日 9時) (レス) @page48 id: a1ce5d49cc (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - モモモさん» コメントありがとうございます！！ 構想してたものをようやく見せることができて嬉しいです！のんびり更新ではありますが何卒ご愛読頂けますよう頑張って参ります〜！ (5月4日 1時) (レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 最新話読みました...タイトル？回収最高です！手叩いて喜んじゃいました！本当に文章で魅せるのがお上手すぎてびっくりしちゃいました。更新楽しみにしてます！ (5月3日 22時) (レス) id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 無案のむあんさん» 嬉しいですー！！！意識してるところをたくさん褒められるの嬉しいです！これからも何卒ご愛読お願いします！ (5月2日 2時) (レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2024年1月5日 8時
