■ ページ15
.
「あれ？ コネちゃんや」
銃を突きつけていた男はコネシマに気が付くと、目を見開いて銃を下げる。どうやらコネシマの知り合いらしい。上等兵の軍服を着用している、ということは軍に所属しているのだろう。少しくせっ毛のアシメントリーの髪型、狐のように細いその目はどこか胡散臭い。翡翠色の双眸が、私を舐るように見ていた。
「……知り合いなの？ コネシマ」
「ん？ おお、そうや。こいつはオスマン、軍の先輩であり俺にテーブルマナーとか教えてくれてたやつや。4つ歳上なんやけど、気安くておもろいヤツやで」
「もしかしてオスマンってあのオスマン・レジスト？」
「へえ、俺のこと知ってくれてるん？」
「知ってるも何も……」
オスマン・レジストって最近街を騒がせているカルト宗教教祖のご子息じゃないか。
2回ほど、お義父さんが取り寄せている新聞で大きな一面になっているのをみたことがある。
街のど真ん中で「皆に
その激ヤバ宗教の教祖のご子息と関わりがあるなんてコネシマも交友関係が独特すぎる。
「ああ、家のこと？ あれは俺は無関係やから気にせんといて、今はただのオスマンめう♡ 仲良うしてな」
私の目線に気が付いたのかオスマンはパッ、と手を差し出して握手を求めてくる。まあ確かにコネシマの言う通り、軍の先輩であるならここ1〜2年で勢力を付け始めたゴールデンサークルとは無関係に近いだろうが
「……よろしく」
でもなんだろうか、この男の、絶妙に嫌な感じ。とりあえず手を握り返してはみたが薄気味悪くてすぐに手を離す。こんな怖いやつと友だちだなんてよくやれる、コネシマの一度認めたらどんな奴でも仲良くなれる所は素直に尊敬できるところだな。
「そうや、ここ通りたいんやっけ？ 皆でご飯食べに行くん？ やっぱここのご飯不味かったよなぁ」
「せやねん！せやねん！ オスマンの言う通りやったわ。元々そこにいるエンダと2人で行く予定やったけど、腹空かせて死にそうなヤツ拾ってな。3人で行かせてくれ」
「じゃあ金と服が必要やね」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 654人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
臓臓臓(プロフ) - 早桃さん» コメントありがとうございます！ゆっくりではありますがまちまちと更新していきますのでこれからも何卒よろしくお願いします！ (6時間前) (
レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めちゃくちゃ好きな作品だ！作品の雰囲気とか作者さんの物語の描き方とかもう全てが好きです💖これからも無理せず更新頑張ってください！応援しています📣次の更新楽しみ！ (5月4日 9時) (レス) @page48 id: a1ce5d49cc (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - モモモさん» コメントありがとうございます！！ 構想してたものをようやく見せることができて嬉しいです！のんびり更新ではありますが何卒ご愛読頂けますよう頑張って参ります〜！ (5月4日 1時) (レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 最新話読みました...タイトル？回収最高です！手叩いて喜んじゃいました！本当に文章で魅せるのがお上手すぎてびっくりしちゃいました。更新楽しみにしてます！ (5月3日 22時) (レス) id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 無案のむあんさん» 嬉しいですー！！！意識してるところをたくさん褒められるの嬉しいです！これからも何卒ご愛読お願いします！ (5月2日 2時) (レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：臓臓臓 | 作成日時：2024年1月5日 8時
