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至る所から鳴き声と出してくれと懇願する声が響き渡る。
「いい声でしょう、この騒音を聞いていると非常に心が満たされるのです」
「まあ、ふふ、気持ち悪」
「何か仰いましたか？」
「なんでもないです、それより竜人はどこですか？」
「ああ、この奥です。足元にお気を付けください」
平常運転がすぎるマリアの後ろについて歩くトントンがマリアの手をとり、滑りやすい足元を支えてやる。
そしてマリアはカーテンの向こうにいた竜人を一目見て、ほぅ……と思わず吐息のような溜め息をついた。ソレがあまりにも、あまりにも美しかったせいだ。
細い身体から飛び出る巨躯な爬虫類特有の尻尾、光で虹色で輝くその鱗は幻想的で、触れたいと手を伸ばせばきっとその澄ました顔で牙を剥くことは容易に想像できた。奴 隷というものは目が死んでいるのが基本だ。しかしまだこの竜人は死んでいない、それもまたマリアの琴線に触れるものがあった。
「支配人、少しこの竜人と2人でお話してもよろしいですか？」
「ええ、ええ、勿論ですご令嬢」
商人は完全にマリアのことをどこかの世間知らずの令嬢だと勘違いしているらしい。その勘違いを有難く利用することにしたマリアは令嬢のように可憐に笑って「ありがとうございます」とお礼を言う。
商人が立ち去ると、マリアは鉄格子の前にしゃがみ込んで「綺麗だな、お前の鱗」と友だちみたいに話しかける。まだ生きているその
「お前私の財布にならないか？ 間違えた、仲間にならないか？」
「マリアお前ホンマに最悪」
思わずぺろりと滑っていった本音にトントンは頭を抱えた。これで仲間になりたいなんて思わないだろう。ほらみろ逆に直球すぎて困惑している。
「うるさいうるさい！ 誰にだって言い間違いぐらいあるだろ」
「その言い間違いが最悪やねんけどな」
「みてろ、コイツに今すぐよだれ垂らして仲間になりたいって言わせてやる」
ふん、と竜人と向き合ったマリアは鉄格子から手を伸ばし無遠慮にマズルを鷲掴みにし自分に近付くように引き寄せた。
「私と賭けをしよう竜人、お前が有利な話を持ち掛けてやるから大人しく聞いておけ」
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n(プロフ) - とても面白いです！特にミートソースを捨てろが好きです (12月28日 18時) (
レス) @page6 id: 9f8fd53d26 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 五十嵐さん» コメントありがとうございます。気まぐれ更新ではありますがあちらも更新していくつもりなので何卒よろしくお願い致します (12月16日 3時) (レス) @page9 id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 - こんばんわ！貴方様の終末の踊り方が好きです！よければそちらも再筆してほしいぐらいです！！！！！！ (12月15日 20時) (レス) id: 400a2c8525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2023年12月15日 8時
