家庭科の先生は料理上手【ツイステ】 (ページ3)

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監督生の疑問ページ3

「……あれ、まただ」

「今日は何なんだゾ？俺様、この間のてんぷらってやつまた食べたいんだゾ！」

オンボロ寮の扉の取っ手にかけられた、可愛い花柄の袋。

その中には大きめのサイズのタッパ。

ぱか、と開けると中には餃子が入っていた。袋の中にはポン酢まである。後は……緑茶？

何でだろうと思いながら鞄を探ると、小さな紙が出てきた。

紙には、小さく丸い文字で

『にんにく使っちゃったから、食べたら三十分以内に緑茶飲んで』

と書かれていた。

タッパはまだ温かく、作り立てのよう。

……ポン酢なんて、この世界に来て初めて見た。

グリムは隣でてんぷら！と騒いでいる。

「……今日は餃子だね」

「ぎょうざ？って何なんだゾ！美味しいのかだゾ！」

グリムがタッパを覗き込んで匂いを嗅ぐ。

それから目を輝かせて「美味そうな匂いなんだゾ」と言った。

私は袋を抱えてオンボロ寮に入る。

グリムに指示を出してご飯の準備をし、二人で手を合わせた。

「「いただきます」なんだゾ」

小皿にポン酢を垂らし、餃子をそこにちょんちょんとつける。

半分ほど口に含むと、肉汁がぶぁっとあふれた。

口の端からこぼれそうになるほどの肉汁。……うまぁ。

中には肉がいっぱい入ってて、食べ応え抜群。噛めば噛むほど味が出て、思わず頬が緩む。

尚且つ、酢の酸味と肉々しさのちょうど良いバランス。

やめられない止まらない状態だ。

「こっちの餃子ってやつも美味いんだゾ」

「はぐ、もぐ。……んぐ、だよね？」

「何個でも食べれちゃうんだゾ」

「あ、ちょっと。そんな急いで食べないで！」

隣ではグリムが三秒に1つのペースで餃子を口に運んでいる。

お気に召したのは何よりだけど、私の分も残してくれないかなぁ？

結局、私たちはいくつもあった餃子を五分と経たずに完食した。美味しかったです。

私はタッパを綺麗に洗い、袋の中に戻して外の取っ手にかけておく。

そうすると次の日には袋は消えているのだ。

「……でも、誰がこんなことしてくれてるんだろう」

「俺様は美味しいものが食べられたら満足なんだゾ！」

こんな風にご飯が届けられるようになったのは二週間ほど前。

最初はびっくりして、食べることも出来なかったけど。

ある日、中を見たら美味しそうな唐揚げが入っていて。

思わず食べてしまったのが始まりだったっけな。