61話 ページ11
『どこ、にいる？』
離れの中に入った瞬間、声は完全に途絶えてしまった。
まさか、もう……
『っ…』
考えるな。きっとまだ間に合うはず。
嫌な予想を振り払うように首を振り、私はまた歩き始めた。
真っ暗なせいで、足元も見えない。
さっき外から見たら、結構広いこの離れ。はたして声の持ち主の所にたどり着けるのだろうか。
ｽﾀｽﾀｽﾀ
『ﾋﾞｸｯ』
足音。
明らかに私のじゃない。その証拠に、私が今止まっているというのに、足音はまだ続いてる。
それに、段々近づいてくるように音が大きくなってくる。
『ぅっ……』
思えばこの離れは少し不気味だ。しかも今は夜中。
さっきの声も途絶えてしまったせいで、一気に不安と恐怖が押し寄せてきた。
私はその場に蹲り、頭を抱えた。
自分の目に涙が溜まっているのがわかる。
ｽﾀｽﾀｽﾀ
やばいっ、もうすぐそこにいる気がする。
どうしよ、怖いっ。
ｽﾀｽﾀｽﾀ ﾋﾟﾀｯ
……止まった……？
「やっと見つけたっ」
『っ！！！』
驚きで顔を上げたが、暗すぎて目の前にいるのが誰なのかわからなかった。
だが聞き覚えのある声のような……
『ﾋｸｯ だ、れ…？』
色んな感情が混ざったせいで、遂に我慢していた涙が溢れ出した。
「！…とりあえず出るよ。ここは危ない。」
その人はそう言って、私を抱き上げた。
急なことでまたまた驚いた私は、慌てて彼にしがみついた。
あ、ダメ。ここを出たら。
『おろしてっ。』
「ちょ、暴れないでよ！」
せっかくここまで来たのに、助けないで帰るなんて。
あの人は、今もきっと助けを待ってるっ。
『はやく、いかないと…っ！』
じたばた降ろしてと強請るが、なかなか離してくれない。
「…何しに行くの？」
『え、』
その人は急に歩く足を止めた。
私も暴れるのを止めて、見えない彼の顔があるだろう方向に顔を上げた。
たまたま横に窓があり、月明かりが差し込んできた。
暗闇からはっきりと見えたその人の顔。
『ぁっ……』
骨喰の兄弟だった。
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めい(プロフ) - 桜さん» 読んでくださりありがとうございます！勿体無いお言葉ですよ！（苦笑） 続きも頑張ります、ありがとうございます！m(*_ _)m (2020年8月6日 23時) (
レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - ものすごく面白いし、文才もあるので頑張ってください！ (2020年8月6日 12時) (レス) id: 798e99be00 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 兼さん……国弘…夢主のｼｭﾝでやられてるよ。審判者の部屋に何かありそうですね…続き頑張って下さい！夢主とこんのすけだけて大丈夫なのかな？ (2020年8月4日 17時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 鈴桜さん» なるほどなるほど、え、それすごい楽しみですね！？笑 (2020年8月4日 14時) (レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 華音さん» こんにちは！！え、超大切なところ間違えてる笑 本当に助かります！！ありがとうございますー！！(￣^￣)ゞ (2020年8月4日 14時) (レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
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