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その後、美緒が諦めたのでクラス発表の掲示を見ることに。
「あ、池崎美緒あった!私1組だ!え〜っと、1組にAの名前は…Aの名前は、………」
美緒が固まったから、1組に私の名前はないんだな、と分かった。
「あ、私2組だ。ここに、椎名Aがある」
淡々に言う私に、美緒が不満そうに口をとがらせる。
「A、私と違うクラスなのに普通……」
「むしろ良かったよ。あんたと一緒だと、絶対疲れるもん」
「むぅ……」
頬を膨らませても、私は男じゃないから「可愛い!」なんて思わないよ。
「部活見学は一緒に行くし。とにかく、教室に行こ」
私は美緒にそう言い、1年生の階へ行く。
教室の前まで来ると、私は手を振った。
「じゃあ」
「う、そんな嬉しそうな顔で私から離れないでよぉ」
美緒と別れて2組に入る。黒板に座席表が貼ってあるから自分の席を確認しに行くと、私は廊下側の1番後ろの席だった。
周りの人が皆初対面って普通は緊張したりするだろうけど、私は逆にそれが良かった。ひとりで静かに過ごせるしラクだ。
席に着いたら、早速音楽プレイヤーを出し、好きなK-POPを再生してイヤホンをする。
プラス、本を出して読書を始める。
中学の頃はいつも美緒が邪魔してくるけど、今年はクラスが違う。好きな事をすることができる!
別に美緒は嫌いじゃないけど、お互い性格が違うから合わない。まぁ、それが意外と楽しかったりするけれど、そんなこと本人には言わない。
「何読んでるの?」
……やっぱりクラス関係ないわ。美緒以外にもいたよ、邪魔をする人が。
声のする方を向くと、その人は隣の席の男子だった。甘いルックスで、目が合うと微笑んでくる。
こういう人の相手は、するもんじゃない。
「別に、何でもいいでしょ」
私はそう言って視線を本に戻す。
「何聴いてるの?」
「うるさい」
私が睨みつけると、その人は笑った。
「怖いなぁ。隣の席なんだし、話そうよ。オレ、クラスに友達がいなくてさ」
「私には関係ないじゃん」
「だから、キミが友達1人目ってことで」
「図々しい。他をあたって」
私がそういった瞬間、イヤホンを耳から外された。
「あとこれ、校則違反だから、オレが没収しまーす」
「なっ、何するの!返してよ!」
「話してくれるなら返すよ?」
「っ……」
私、この人苦手だ。
そう思いながら、渋々答えた。
「分かったよ。話す」
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めぐむ(プロフ) - Sakuraさん» Sakura,読んでくれてありがとう! (2017年12月28日 10時) (レス) id: b32ef37eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 可愛いお話(*^^*) (2017年12月27日 18時) (レス) id: 085712002d (このIDを非表示/違反報告)
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