過去編22話 ページ44
【三振ー!試合終了ー!大阪桐蔭、投打で圧倒的な力の差を見せ付け、7回コールド勝ちー!夏の府大会4連覇に王手をかけました!】
南大阪屈指の強豪である浪商に完勝し、決勝行きを決めた大阪桐蔭だが、誰も気を抜く者はいなかった
「やっぱり…決勝の相手は履正社」
準決勝の第1試合では、古豪近大附属を履正社が完膚なきまでに叩き潰していた
「寺島…昨年の秋は抑えられたが、次の試合では打ち砕く!」
秋のリベンジに燃える蓮が、激しい闘志を燃やす
母校に帰った野球部は、21時を過ぎても練習を続ける
「お前ら明日決勝やでー。あんま疲れ残すなー」
「はい!分かってますけど日課ですから!」
「やらないと気持ち悪くて」
「ほぉー。出来る男みたいな事言うやないか」
西谷監督は自主練する部員達に感心する
深夜2時、遅くまで自主練していた部員達も寝静まり、目が覚めた西谷監督は敷地内を散歩している中、屋内の練習室から音が聞こえていることに気づく
「なんや。ちゃんと片付けしとらんのか」
部屋を開けてみると、なんとそこには滝のような汗を流し、夏場なのに湯気すら出そうな状態で、ネット目掛けて本気の球を投げ込んでいるAの姿があった
「A!お前まだ寝てなかったんか!?どんだけ投げとんのや!?」
『あ、監督。投げてたのは1時間ほどですよ。その前は2時間程バッティングマシーンを使って打撃練習を…』
「やりすぎや!ただでさえ試合と自主練で1番動き回ってたのに…明日ぶっ倒れるぞ!」
『分かりました…では2時間程、普段の山のランニングコースを走ってから…』
「アホか!?早く練習をやめろ!…ったく何で今日はここまで…」
『…監督。私、甲子園に出ていいんですかね…?』
「急にどうしたんや?」
『私は、皆よりも野球経験が少なく、しかも女です…でも時の巡り合わせでここまで来ました。でも、大坂の球児は私が甲子園に行くのを認めてないんじゃないかって…そう思うと、落ち着かないんです。自主練してたのは、モヤモヤを払おうと…』
実は、府大会で負けた相手の一部に、妬む様な視線と女子贔屓と逆恨みの様な感じを出す選手をAは見てしまったのだ
「A。女どうこうは関係ない。大事なのは実力や。妬む奴もいない訳やないけど、ほんの少数…そんな奴は成長しても何も出来へん。お前に変な圧かけてくる奴は俺が潰す。それが監督の仕事や。お前は気にせず試合を戦ってくれや」
『監督…』
大阪の夜は更ける…
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タンさん(プロフ) - 毎回いいところで次回に続くなので、非常に焦らされながらこれからも楽しみにしています! (9月3日 23時) (レス) @page10 id: 85b052b1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなゆ | 作成日時:2023年8月26日 17時