過去編2話 ページ24
「それはよくある話…1年間は試合を我慢して基礎を積み重ねた者が、後々の栄冠をモノに出来るんだ」
『ふーん…でもKKコンビや荒木大輔、平田や中田翔は1年時から先輩押し退けてチームの中軸になってるみたいですけど?』
「それは目先の結果に目が眩んだが故の愚かな過ち…彼等は何れ、レギュラーに早く選ばれた事を必ず後悔するだろう」
『それに…ここの卒業生が誰もプロで大成してないみたいですけど、それは三重高校の指導方針に問題があるのでは?』
この指摘に監督は頭に血が上る
「もういい!ガキの分際で生意気な!いくら強くてもこんな自分本位な選手など此方からお断りだ!」
『本性が出ましたね。私だってこんなチームに入る気はないですから…それに理不尽な体育会系の方針…何とかしないとこのチーム、人が来なくなりますよ』
Aはそう言い捨てて退出した
背後から大声と大きな物音が聞こえたが、気にも留めなかった
『って事があったんだ』
「へぇー。そりゃひどい」
『やっぱり東海地区は肌が合わないね。受けるのは近畿に絞りたいな』
「それなら智辯系列か履正社はどうですか?」
『智辯と智辯和歌山は何か苦手なんだよね…高嶋監督は素晴らしい人なんだけど。履正社は魅力的だし岡田監督の指導は凄いけど、寮がないから通いになるんだよ。これ以上孤児院の負担は増やしたくないし…』
根尾がある事を察する
「智辯が嫌となると宗教が苦手…て事は天理は有り得ない…A先輩…もしかして、大阪桐蔭を狙ってますか?」
『…分かっちゃったかぁ。私が野球始めたのも、西谷監督に勧められたから。…実績残したらスカウトするって言ってたのに…私じゃ不十分だったのかな…』
「そんな事ありません!」
『来なかったら…報徳か近江、龍谷平安になりそうだね』
施設長がやって来る
「A。アンタにお客さんだよ。大阪桐蔭の監督さんだ」
Aは脱兎の如く駆け出し、根尾もついて行った
『良かった!忘れられたかと思って…!』
「いやぁ…すまんのう。国体と地方のスカウトが長引いてな」
「こ、これが大阪桐蔭の監督」
「おぉ、君は根尾くんやな。活躍は聞いてるで」
「は、はい!」
話もそこそこに本題を出す
「分かってると思うがA、お前をウチにスカウトしに来た」
『勿論…お受け致します!』
「おう良かった!これで一安心や!」
Aの入学が決定した。これを受けて他校を行こうとする選手も、大阪桐蔭に入ることになる
276人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タンさん(プロフ) - 毎回いいところで次回に続くなので、非常に焦らされながらこれからも楽しみにしています! (9月3日 23時) (レス) @page10 id: 85b052b1c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やなゆ | 作成日時:2023年8月26日 17時