吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ19)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:41,731 hit

少女の血62 ページ19

2人に連れられて、一先ずは総統室に行くというふうに言われた。海軍服の男性がひとらんさん。トルコ帽の男性がオスマンさん。

os｢はい。とうちゃーく。失礼します｣

コンコン…と優しくノックする。すると中から
｢入っていいゾ｣とバリトンボイスで聞こえた。耳に残るな…(色んな意味で)

ドアが開くと、金髪メガネの男性と赤マフラーの男性がいた。

｢｢！！！！｣｣

2人は驚いたようにしてこちらを見る。

｢あっ…！A？！大丈夫か…？｣
赤マフラーの男性が心配そうに声をかける。

『？…はい…』

｢…俺のことは…覚えているか…？｣

金髪メガネの男性が言う。

総統室、向かい合う私…とーーさんとーーさん。
彼は言う。
｢お前の…！Aの手で…！！あいつらを絆して欲しい…！｣

少女は言う。

『私にできることがあれば…なんだってやります…！それが…私に出来る最高の恩返しだから…』

突如フラッシュバックするその光景と記憶に、一瞬体が重くなる。

ガクッと膝から崩れ落ちた。

os｢！大丈夫？！｣

はぁ…はぁ…と息切れが早くなる。
落ち着かせるために深呼吸をする。すると目の前には先程の金髪メガネの男性が。

音もなく来るじゃん。

｢…大丈夫か…？｣
『…彼が…私に…言ったんです…｢あいつらを…絆して欲しい｣って…』
｢！！｣

｢改めて聞こう…俺を……覚えて…いるか…？｣
彼は優しく私の手を握る。その切ない顔が、どうしても頭から離れない。

『あっ…？あれ…名前…』
ボロボロと涙が零れてくる。

｢…グルッペン･フューラーだ…｣

『っあ…？グル…さん？』

そう呼ぶと彼は自身を強く抱きしめた。
自分もしどろもどろに抱きしめ返す。

gr｢…あいつの…名前は…？｣
そういい、グルさんは赤マフラーさんの方を見る。

『えと…と…ん…トントン…さん…？』
必死に脳裏に焼き付けた記憶を掘り返す。

すると彼は安心したように、今でも泣き出しそうなぐらい、綻んだ顔をした。

os｢俺たちのことも…覚えてる…？｣
『正確には…思い出せないけど…マンちゃんと…げどちゃん…て…先生が言ってた…』

gr｢！！…その先生を覚えているか？｣

『……青…？』

その単語だけで、そこにいる人たちは安心したよう顔になる。

ﾋﾟｰﾋﾟﾋﾟ…ｼﾞｰ
｢はぁ…はぁ…やっと繋がった…｣
『｢？！｣』

海｢どうも…久々ですね…海だよ…突然で悪いんだけど…｣

Aの記憶、リセットするね！！

｢？！｣
リセット…？また…？