誤魔化せない ページ29
｢じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて。数日お世話になります…｣
智｢んふ、よろしい｣
｢でも、ホントのホントにいいんですか？その……彼女さん…とか……｣
智｢あー、いねーからへーき｣
あっそうなんだ。よかった……って
｢うぇ！？｣
今！よかった……ってなに！？
私……
智｢うぉ！？なんだ！？｣
｢い、いえ！なんでもごさいます！あっ、ごさいません！｣
｢どっちなんだよ笑｣
やーー！！！恥ずかしい！
もうー、やだ……
大野さんの前だとテンパリすぎて、ドジっちゃう……
なんでそうなるかは、薄々気づいてる……
でも……誤魔化すことしか出来ない
智｢顔真っ赤か｣
｢みっ見ないでください！！｣
思わず自分の顔を両手で隠す
こんなタコ顔見せれない！
｢ちぇ、かわえーのに｣
｢！？！？｣
かわえー！？可愛いってこと！？
なっなんて返せばいいの！？とオロオロする私に大野さんは気づくことなく
トタトタとリビングから出ていってしまった
未だにバクバクと波打つ心臓
やっぱり天然人たらしだ･･･
智「嵐ちゃん」
「は、はい！」
智「お風呂入りな？」
｢あっいや、そんな、あの大野さんがお先に、｣
智｢んにゃ、嵐ちゃん疲れてるべ？先入りな｣
｢でも……｣
智｢ほんと頑固……笑｣
そう言いながら私の前までくると、頭を優しくナデナデして、｢こゆー時は甘えときな｣ってあのふにゃっと目尻を下げる優しい笑顔で言った
｢…………は、ぃ//｣
｢ええ子｣
ポンっと頭を軽く叩いてふにゃっと笑う大野さん
その笑顔を見て、心底自分が馬鹿だなぁと思った
自分の意思の弱さに呆れる
私、大野さんと今日知り合ったばっかりなのに…
まだ何も知らないのに…
どうしよう、好きだ……
続く
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作者名：楓 | 作成日時：2018年5月5日 17時
