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治療 ページ20
｢あー、おもしろかったぁ｣
そう言って、やっとひとしきり笑い終えた大野さんは、突然さっきとはうってかわった真剣な表情で
私の右手を取り、手首をじーっと見たかと思えば、ソファーから立ち上がってキッチンへ行ってしまった
(どーしたんだろ？)と思っていると、すぐに帰ってきて
もう一度私の手首をそっと取ると、保冷剤をあてて薄手のタオルでクルクルと私の手首に巻き出した
(えっ！？なに！？)
｢あっあの、大野さん？｣
智｢・・・ちょっと赤くなってる｣ってちょっと申し訳なさそうに言う
(大野さんがそんな顔する必要ないのに・・・)
そう思って冗談っぽく
｢いや、そんなしてもらうほどじゃないですよ｣って言う。けど大野さんは全然笑ってなくて
｢ダメだよ、アザとかになったらどーすんの？｣
って逆に叱られた。けどその手つきは壊れ物を扱うように優しくて・・・また涙が出そうになった
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作者名：楓 | 作成日時：2018年5月5日 17時
