キャンパス [ O.S ] (ページ14)

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優しさページ14

去ったのを確認してゆっくりと近づいてくる大野さん

私は立ってるが精一杯でガタガタ震える足を必死に抑える。

｢あの・・・・ありが｣

震える声でお礼を言おうとした時

ふわっと優しい香りに包まれる感触がした

｢はぁー、ごめん、腕痛かったでしょ？｣

大野さんが私を抱きしめながら言った。

｢・・・え？｣

大野さんが謝ることなんて1つもないのに、むしろ大野さんが来てくれなかったら・・・

そう考えると震えが止まらない

智｢ごめん、怖かったよね｣

｢いや、大野さんが謝ることなんて・・・｣

｢いんや、家まで送ればよかった。遅れてごめん｣

そこで私の中にある糸がプツンっと切れて

ブワッと涙が出て、止まらなくなった。

それは、恐怖からじゃなくて、大野さんの優しさと安堵感から。

そんな私に大野さんは

智｢大丈夫、大丈夫｣

って子供をあやす様に抱きしめながら、私の頭をヨシヨシしてくれてる

その感触が気持ちよくて、また涙が出る

そのまま10分くらい経って、ちょっと落ち着くと

大野さんは、すっと私を解放して

智｢ここじゃ、あれだから、俺の家おいで｣

と言ってくれた。

その時はとにかく怖くてどうしようと思いつつも

コクっと頷いてしまった

すると私の手を引いて

｢いこっか｣っと優しい口調で言ってくれた。