ヤンデレの手懐け方【鬼滅の刃】

時透無一郎のバヤイ。 ページ30

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「……何で、Aは僕だけを見てくれないの？
他に、もっと大事なものでもあるの？」









目の前にいるのは、時透無一郎くん。
とても可愛らしい見た目で、年齢も
禰豆子ちゃんと一緒。


……だけど、何だろう。
今彼に掴まれてる肩がすごい音してる。
ミシミシいってる。


馬鹿力すぎない？









「あ、あの……時透さ、 」


「時透さんっていうのもやめてよ。
他人みたいじゃん」







いや他人だよ？
そんな言葉を噛み殺しつつ、私は彼の手を
そっと、優しく握った。


その行動に少し驚いたのか、彼の手はピクリと
反応した。よし、イケる気がする。


まあね、最初の発言を見たところ、
竈門くんと言ってることもあんま変わらんし、
コレでイケるやろ。






「……A？」


「時透さ……くん。
私はちゃんと、いつも時透くんのことを見、」


「僕は炭治郎みたいに引っかからないよ」


「アイタタタタ！？ゆ、指が、折れるよ！？ 」









いきなり私の指をひねりあげてきた。
超痛い、というか末恐ろしすぎる。


……まあ確かに、竈門くんがチョロすぎるだけ
かもしれないけど！
そして私が浅はかすぎるだけかもしれないけど！


ていうか本当にやめてよ、この子こんな
可愛い顔してる癖にド鬼畜なんだけど。









「や、やめ……時透くっ、」









生理的に涙が出てくる。
人間て本当に痛いと自然と泣いちゃうらしいよ。私今まさにソレ。



時透くんは、そんな私の顔を暫く見たあと、
「もういいよ」と言って、やっと離してくれた。








「僕はもう満たされたから。
じゃ、」



「何が満たされたの！？何が潤ったの！？」









某アニメのようなツッコミを私がゲホゲホ
言いながら入れると、彼は満足そうに笑って、
「泣いてる方が可愛いよ」と言ってきた。








「……は、」



「まあ、笑ってる顔も別に悪くは無いけどね」








彼はいつもの無表情からは考えられないような
素敵な笑みでその場を去った。



……AA。
初めての、完全敗北。



その後蝶屋敷に行ったら、アオイちゃんから
「折れてますね」って真顔で言われた。



せっかくの休日なのに。
泣きたい。









【備考】
取り敢えず握力で訴えてくるので、彼の
掌には注意が必要です。
また、彼の場合は媚びたりするともっと
酷いことをしてくるので気をつけましょう。
Aが泣くと、満足してどっかに行きます。
いじめっ子気質です。





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