いっそ嫌ってください【鬼滅の刃】

さん ページ4

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まるで反論しない私を、皆さんは少し
不安そうな目で見つめてきた。




当人の咲ちゃんでさえも、私に対して「え、反論せんの」みたいな顔になっていた。





そうやって、暫くの沈黙が続いた。
それを破ったのは、紛れもない冨岡さんだった。









「俺はどうでもいい」









ｽﾊﾟｧﾝ､とまるでまな板の上で白菜を切るかの
如く、一刀両断した冨岡さん。




……普段の私なら味方してくれるだけで
有難かったけど、今は何を言っているか少し
よくわからない、ごめんなさい。





どうでもいいことないやろ。
咲ちゃん腕から血が滴り落ちとるんやぞ。





私の口が開いたまま閉じないんだが
どうしてくれよう。




そんな私の気持ちとは裏腹に、皆さんは
次々に意見を述べていった。








「俺は信じない。


まだ知り合って日も浅いような人間と、
もう随分と前から知り合いで、いつも
暗い場所で卑屈に仕事をしているA、


どちらを信じるなんて、比べるまでもない」









次に言葉を発したのは伊黒さん。




てか何でちょっと悪口混ぜたし。
やっぱこの人ツンデレだわ。



ていうか暗い場所で卑屈にやってるって
酷くない？卑屈なのはまあ認めるけど別に
暗い場所で仕事してないし。




そしてそんな伊黒さんに続くように
蜜璃さんは困ったようにこう言った。




頼む、マトモなのは蜜璃さんしかおらんよ。
どうか咲ちゃんの味方をしてください……









「うーん……私が現場を見てないから、
どちらのことも信じたいな」









流石蜜璃さん、あなたは正しい。




こういう意見を求めてた。
完全に中立の立場から見て、どうよコレ。




どう考えても怪しさMAXでしょ私。
ほら、疑ってええんやで←





しかし私の淡い期待はすぐに打ち砕かれた。









「自分で刺した、なんて考えにくいけど……
私、Aちゃんを信じたいの!」









そうやって、きゅっ、と優しく私の手を握る
蜜璃さん。



……可愛いけど、なんか。
……雲行きが怪しいような。









「……もし、信じた結果、Aちゃんが
本当に間違ったことをしてた場合は……、





私も謝るから、Aちゃんを許してあげて♪」









咲ちゃんに向けて、とびきりの笑顔で
言う蜜璃さん。





とんでもねぇよこの人。





小学校の先生みたいなこと言ってやがる。





やべぇよこの人。









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