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ぼうゆうのもの 2 ページ3

「後ろ、乗ってください」
「...?ぱんくん、バイク、乗れたの」



てっきり歩いてきていたと思っていたにゅるいは目を見開いて驚いた様子だ。だから割と早くついたのか、頑張ってきてくれたんだな、と少しばかり胸をときめかせてしまう。



「?いや。まさか!チャリっすよ」
「チャリかよ!」



一瞬で後悔した。ぱんくんがガラガラと音を立てて押してきたのは自転車だった。成人済み男性二人で自転車に二人乗りなんて発想どうやっても出てこない。



「にゅるいさん酔っ払って歩けないだろうな〜って思って。あとポンコツだからヘルメットまで用意したんすよ!ちゃんと捕まってくださいね」
「〜っ...!ぱんくんのアホ!落ちねえよ!」



ぎゅう、とヘルメットを握り不満そうな顔をしてにゅるいはそう言い、1歩を踏み出した。すると...



「っうわ!?」
「ほら、言ったこっちゃないっすよ。ぜってぇそうなると思った。大人しくヘルメット被ってください」
「...絶対転けんなよ。落としたら、許さない」
「わぁってますって」




にゅるいは観念したのかカチャリとヘルメットを付けてぱんくんの後ろへと跨った。それを確認したぱんくんはゆっくりとしたスピードだがペダルを回し始める。そよそよと吹く夜風が頬を撫でで酔いで火照ったからだにはとても気持ちよく感じられた。



「今日はどうしたんすか?お酒飲んで、らしくない。さっきも早く帰りたがってたし」
「......うるさい、俺は、悪くない〜っ...」



特に責めてきた訳でもなかったが寄ったにゅるいは曲解してしまったようだ。少しの空白の後ぐず、と泣き声になりながらそう返してぱんくんの腰へと手を回し背中へ顔をぐりぐりと埋める。それに対してぱんくんはビクリと身体を震わせてしまい若干自転車がふらついた後キュ、と突然停止した。なんだよ、と思っていたがなかなか動き出さないので心配したにゅるいが「ぱんくん?」と声をかける。



「なんか、勃っちゃった」
「はあ?」
「にゅるいさんが、可愛いことするから」



何事かと思えば、心配して損した。何言ってるんだコイツ...とにゅるいは思いながら自転車からひょいと降りた。



「おまえ本当アホやな!もういい、あるいてかえる!こっちは本気なのに」
「ああああごめんなさいって!わぁった!ちゃんと漕ぐ!我慢する!ごめんなさい!」
「クソアホチンパン。もう次はないからな」
「うん、勃ってるけど気にしないで」
「...╬」
「いでっ!!!」

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作者名:Pnp | 作成日時:2021年4月20日 9時

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