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100名目 ただいまと言いたい ページ1




カーテンの隙間から差し込む、温かな陽光で目を覚ました。


枕元の時計を見れば、短い針が6と7の間を指していた。


──あと少しだけ──。


そっと瞼を閉じかけて、はっと飛び起きた。


そうだ、今日は定休日じゃないんだから、二度寝は厳禁なんだった。


てきぱき布団を畳んで、冷水で顔を洗えば、ぱっちり目が覚めた。


それから台所で朝食の準備を進める。


味噌汁、昨日の夕飯の肉じゃが、ご飯を弱火にかけて温めている間に寝巻きから普段使いの着物に着替える。


長年の経験から、着替えを終える頃に、朝食が良い具合に温まることは記憶済みである。


今日もその計算は狂っていなかった。


着替えを終えた私は、美味しそうに湯気を立ち上らせた、一人分の朝食をちゃぶ台に並べ、手を合わせ、いただきます、と呟く。


ちなみに朝食時のBGMはラジオのニュースだ。


簡単な食事を済ませた後は、暫しぼーっとラジオを聞く。


気が済んだら、お茶碗たちを水に浸けてシンクに放置。


髪を結わいたり、歯を磨いたり、化粧をしたりと身支度をする。


それを終えると、食器を洗い、水切りかごに並べ、階下に降りる。


店の前と、家の裏口前を箒で掃き、店の厨房に向かう。


そこで茶や和菓子の在庫を確認し、足りない場合は急いで買いに行くのだが、今日はその必要はなかった。


ここ数日、休んでいたので当然と言えば当然か。


私は若干埃っぽい店内を清掃すると、立て付けの悪い店の戸を苦労して開けた。


途端、薄暗かった店内に、明るい陽の光が入り込んできた。


いつも通りの江戸の通り。そこからいつも見える空は、澄みきった青。


その青を思う存分、見つめてから、戸口に立て掛けておいた暖簾を店先にかけた。


ここでやっと、私のいつもの一日が始まったような気がした。


「……ただいま」


誰もいない店内に、私はそう呟いた。


厨房の暖簾が、ひらりとはためいた。

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設定タグ:銀魂 , 桂小太郎 , 村塾組   
作品ジャンル:アニメ
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Physics(プロフ) - モモうささん» コメントありがとうございます!松陽先生視点の過去篇は力を入れて書いたので、そう言っていただけて嬉しいです!更新がゆっくりですが、これからも宜しくお願いします! (2017年6月30日 19時) (レス) id: 28db851a9c (このIDを非表示/違反報告)
モモうさ - 過去編の時の先生の回想シーンで、グッときた…。それに、桂が可愛い!「コタちゃんじゃない。かつ…」が、気に入りました! (2017年6月27日 23時) (レス) id: 15c04f38df (このIDを非表示/違反報告)
Physics(プロフ) - 獅子の子さん» ほんとですか?よかったです!ウブな感じに描きたい回だったので、グワッときてもらえているようで、ほっとしました! (2017年6月18日 21時) (レス) id: 28db851a9c (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - あ''ぁぁぁ、桂可愛いよ尊いよ! ちょっとこの回でグワッときました、グワッと(語彙力) (2017年6月18日 12時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
Physics(プロフ) - マヨ方さん。さん» 綺羅凛子に笑っていただけてよかったです!相変わらずの亀足更新ですが、よろしくお願いします! (2017年6月9日 20時) (レス) id: 28db851a9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Physics | 作成日時:2017年4月23日 18時

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