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夜道を歩く私と高尾。
周りは凄く静かで足音だけが聞こえる。
最初に口を開いたのは
『やっぱり最低だね、』
作り笑顔をした私だった。
その言葉を聞いた高尾は、踏み出していた足を止め私を真っ直ぐ見た。
「Aちゃんってさ、恋愛のことになると弱くなっちゃうね」
苦笑いをした高尾に、そーかもね。と返す私。
『いつも一緒にいたから。付き合うことなんて簡単だと思ってた。』
ずっと、真太郎といて。
ずっと、真太郎の後をついてきた。
初恋も真太郎だった。
今も持っている恋心。
『一方的な“好き”じゃ意味ないね。』
付き合うとしても一方的では意味がない。
同じ気持ちじゃないと、意味がない。
『真太郎、悪くないのに……少し怖くて…自分から逃げちゃって…っ』
別に、話したくないわけじゃないけど。
あの先輩と話している所を見るとモヤモヤして…
前は、ぽんぽん出てきた話題も今ではなくなっていた。
「Aちゃん」
歩きながら私の前に来た高尾。
私より身長の高い彼を見上げる。
「多分ね、Aちゃんは嫉妬してんだよ。前まで仲良く話してた真ちゃんが急に別の人と話しててお昼の時も帰りも…ってなったら、そりゃ良い気持ちでは、ねーよな?」
高尾の言葉に頷く私。
「一人で我慢してるAちゃん見ると俺も悲しくなるんだけど。さっきの作り笑顔も。」
やっぱりバレてたんだ。作り笑顔。
「真ちゃんがいないんだったら、俺を誘ってよ。俺も暇人だしww」
真剣な顔から、いつもの笑顔に戻った高尾。
凄く心強かった。
なんだかんだ言いながら周りを見ている高尾。
『ありがとね、高尾』
バスケでも影を務め、こういう場面でも影を務め。
一切前に出ようとは考えず支えてくれる優しさがある。
「へへっ!あんがとなw そんじゃ、行きますか」
再び足を進めた私達。
たまには、こんな帰りもいいかな。って思った自分がいた。
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美零(プロフ) - 置物娘OLDCODEXにハマりかけさん» できますよー!ぜひ! (2018年12月8日 16時) (レス) id: 76514c21bd (このIDを非表示/違反報告)
置物娘OLDCODEXにハマりかけ(プロフ) - 了解です!それと、ボードの方でお話しって出来ますか? (2018年12月8日 15時) (レス) id: 07cbb82d44 (このIDを非表示/違反報告)
美零(プロフ) - 置物娘OLDCODEXにハマりかけさん» そんなハイスペックな高尾が好きすぎて…(  ̄▽ ̄)是非、他の作品も見てみてください! (2018年12月8日 15時) (レス) id: 76514c21bd (このIDを非表示/違反報告)
置物娘OLDCODEXにハマりかけ(プロフ) - 本当そんな感じでした。高尾なら絶対あの状態を放っては置かないと思います (2018年12月8日 15時) (レス) id: 07cbb82d44 (このIDを非表示/違反報告)
美零(プロフ) - 置物娘OLDCODEXにハマりかけさん» コメントありがとうございます!恋のキューピッドのような高尾を書けたのではないかと思っております!! (2018年12月8日 15時) (レス) id: 76514c21bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜庭美零 | 作成日時:2018年4月21日 23時