それを夢にはしたくない【REBORN】 (ページ15)

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鳶の独白ページ15

ゆらりと揺れるような、ごくごく僅かな時間。
沢田と六道の脳を刺したのは、衝撃だった。
Aは六道のように憎しみを抱き復讐のためにマフィアを壊滅させようとしている訳では無い。
まだ、恨みや憎しみだと言われた方が理解出来たことだろう。
しかしそれは、手始めにボンゴレを壊滅させようかなどと考えているような人間とは思えないほど、自分達には理解できない動機。

｢私の父さんと母さんは優しい人だった。それだけでいいのよ。｣

エストラーネオファミリーのことを知っているマフィアを殲滅し、そして…

｢だから、あなたを殺すわ。六道骸。｣

そして、自分と両親がきっかけとなって生まれたであろう六道骸という存在を消す。
それが、Aが望む全てだった。

｢もちろん、あなたが影響を与えた人たちも。凪とかいう少女…いや、今は大人の女性ね。彼女も消す。｣

Aはその狂気に駆られた笑顔を、2人に向ける。

｢さ、続けましょう？最も、手負い2人相手に負けてあげるほど弱くはないけれど。｣

｢沢田綱吉と一括りにされるのは心外ですね。｣

｢怪我をしていても、していなくてもおなじことよ。あなたじゃ、私を止められない。｣

2人の間を生温い風が通り過ぎた。

それは始まり…そして、終わりの合図。