鳶 ページ2
会議室、大きな長机に座る8人。
ボンゴレファミリー十代目ボスとその守護者達である。
｢ほぉ、ニッビョファミリーですか。｣
｢確か、5年前できたばかりの…｣
｢最近、この辺りを荒らし回ってる連中だね。｣
｢穏やかじゃねぇな。｣
大人になった沢田達十代目ファミリーはボンゴレを変えると言う沢田の意思の元、イタリアにいた。
…いや、六道は常に沢田の首を狙っているし、雲雀はほぼ居ないしで例外もいるのだが。
そんな彼らが一同に会している理由は1つ、先程から話題に上がっているニッビョファミリーについてである。
｢昨日、キャッバローネの支部が襲われた。｣
沢田の言葉に守護者達の眉がピクリと動いた。
10年前とは違いボスがすっかり板に着いたらしい沢田の声は酷く深刻そうに沈んでいる。
｢同時刻に襲われたネロファミリーの本部は壊滅状態にまで陥っている…それから、ベッチオファミリーのボスが襲撃を受け、死亡が確認されたとさっき連絡が入った。｣
｢…ひでぇな。｣
｢どうやら、挑発を受けているようですね。沢田綱吉。｣
クフフと笑いながら六道は言葉を紡いだ。
｢どうしますか、十代目。｣
｢…ひとまず、相手の意思を確認したい。諜報部の報告によると、ニッビョのボスは術士らしい。だから骸、お前に頼みたい。｣
｢妥当な判断ですね。引き受けますよ…僕としても、これ以上好き勝手にされるのは面白くない。｣
そう言って早々に立ち上がった六道に沢田はすまない、と小さく声を掛ける。
様子見のために設けた会談の場、とはいえ危険な場には違いないのだ。
｢何を今更。｣
六道は端的にそう返し、会議室の扉を閉めた。
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作者名：もこ | 作成日時：2019年2月8日 19時
