鳶は咲く ページ11
｢…さ、行きましょうか。｣
｢｢｢はい。｣｣｣
黒いマントに身を包み、フードを被った3人を従えたAは開かれた扉の前に立った。
｢幹部総出で捜し物？ボンゴレファミリーも大変ね。｣
｢…十道、A……！！！｣
｢怖いわね、そんなに睨まないでよ。｣
巫山戯たようにカラカラと笑うAを沢田は睨み付ける。
｢…2人を何処へやった。｣
｢さぁ？日本に帰ったんじゃない？…いや。｣
言葉を切ったAは自らの後ろをちらりと顧みる。
｢案外近くにいるかもね。｣
モヤのように薄く、淡い霧の中から現れた3人の黒マント。
小柄なその3人の中に見覚えのある明るい色の瞳を見つけた沢田は声を荒らげた。
｢お前…！！！！｣
炎の灯った額、そしてグローブを見たAは笑いながら後ろを振り返ると3人に告げる。
｢さ、君達。“殺す気”でやんなよ。｣
｢｢｢はい。｣｣｣
フードを深く被り直した3人が揺らめくように交差しながら沢田に向かってくる。
沢田は最初の1人をひらりと交わすと2人目の腹を容赦なく殴る。
しかしそこに出来た隙を3人目につかれ、殴られた沢田の顔には薄いアザが出来ていた。
｢…くっ、流石はボンゴレのボス。超直感ってやつか。｣
殴られた2人目の姿が揺らぎ、霧の中から長身の男が現れる。
Aの側近であるあの男だ。
｢…2人とも、目を覚ましてくれ。｣
だが、そんな側近には目もくれず沢田は2人に語り掛ける。
｢無駄よ。あなたは過去に六道骸のマインドコントロールを解いたことがあるみたいだけど…私とアレでは格が違うもの。｣
人を物のように扱うAの言動に、沢田はもう怒りを抑えられなくなった。
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作者名：もこ | 作成日時：2019年2月8日 19時
