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【銀時】
騒ぎの収集をつけたのは駆けつけた百華だった。
もちろんAと禿にはお咎めなし。
不正を働いていた柊太夫は百華に連行されて行った。
Aは最後まで柊太夫が見えなくなるまで禿の少女を離さなかった。
周りの野次馬は流石紅薔薇太夫だと感銘を受け拍手を送っていた。
そんな野次馬の中にいた俺にAは目を向ける。
最初から俺の存在には気づいていたようだ。
Aは無言で俺に背を向け宿の中に入った。
ついてこいと言わんばかりの表情だったため俺も人を掻き分けて宿に入った。
部屋に着くとAはため息をつき禿に小判を渡した。
それが大金なのは俺だけでなく禿にも十分と伝わっていた。
「そんなっ…受け取れません紅薔薇様!」
「わたくしがあなたを買うと言っているのです。柊太夫は恐らく謹慎処分かあるいは吉原から追放されるでしょう。姉様のいない禿がここでやっていけると思っているのですか?」
禿は言葉を詰まらせた。
次第に目には大粒の涙を浮かべてそのまま泣き崩れる。
だがその声は感謝が込められていた。
「ありがとうございますっ…ありがとうございます紅薔薇様っ…」
「あなたの宿屋の主人にはわたくしから話を通しておきます。日輪様も賛同してくれるでしょう」
「はいっ…この御恩は決して忘れません…!!」
禿は深々と頭を下げて部屋から出て行った。
久しぶりに美しいものを見れた気がする。
初めて見るAの姿にちょっとだけ驚いた。
まあ要するにあれだよな…
Aはこの少女を助けたってことだ。
なんだ、めっちゃ良い奴かよ。
「お待たせして申し訳ございません銀時様」
急にAは切り替えて俺を見た。
あれ、もう慰めの時間は終わり?
俺の相手なんて別に後回しでも良いんだがな。
「別に待ったつもりはねぇよ。てかよく愛染香使ってたって知ってたな」
「柊太夫の不正は以前から私の禿に命じ調査をさせておりました。百華に伝えても良かったのですが今日は虫の居所が悪かったため公の場で自体を発覚させました」
「ん、なんかやなことでもあったのか?」
「……大したことではありませんよ」
Aはそう言いながら静かに手を胸に当てた。
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八重菊(プロフ) - コメントをさせていただきます。もうホンマに、マジで泣きました。ここまで泣いた作品は初めてです.........!素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年8月15日 1時) (レス) id: 4b3ed537f2 (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - ものすごく心に残るお話でした。来世で必ず一人の女の子として、銀さんと幸せになってほしいと思いました。 (2020年4月25日 16時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 45話読んだときは、「紅薔薇太夫!何で!?」って思った。でもその後の話を見てたら、何だか腑に落ちた。幸せなまま…… すごくいいお話でした。 (2019年1月3日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 泣いた。いやめっちゃ泣いた。 (2019年1月3日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - ハニーさん» コメントありがとうございます。愛着湧いてしまった夢主ちゃんだったからこそ、早く解放してやらなきゃな…という使命感に駆られてこうなりました笑 (2018年12月10日 3時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2018年10月27日 14時