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【NORMAL】
男の熱い舌先が鋭利な刃物のように唇を割り、ねっとりと絡み付きながら我が物顔で口内を暴れ回った。
紅薔薇太夫の口から小さな吐息が漏れる。
男は唇を離すと微笑み額にキスを落とした。
そのまま背中に腕を回され身体を起こされる。
紅薔薇太夫の甘い声と潤んだ瞳に男は喉を鳴らした。
「……紅薔薇太夫…貴方は本当に愛おしい…」
紅薔薇太夫は静かに目を閉じた。
そのままゆっくりと着物を脱がされ凹凸がはっきりした美しい身体が瞬く間に露になった。
男は紅薔薇太夫の身体に釘付けになった。
お互いの視線が絡み合い、その揺らぐ瞳に男の想いの強さを見て取れた。
────────そんなもの、紅薔薇太夫にとってはどうでも良かった。
「このスカーフ、取らせてもらうぞ」
その時紅薔薇太夫は初めて気づいた。
日中、銀時に巻かれたスカーフの存在を。
今日は売られる前の、あの日以来の外の世界を堪能した。
外の世界は実に鮮やかだった。
生き生きとした瞳や自由奔放な振る舞い。
自分が自分のために生きていることがはっきりと分かった。
だからこそ、紅薔薇太夫は地上へ出たくないと感じたのだった。
外に強い憧れを抱いたところで紅薔薇太夫は外の世界を知らなさ過ぎる。
1人で生きていくことなど出来ないのだ。
スカーフを解かれた瞬間、紅薔薇太夫の心が一瞬沈んだ。
どうしてか銀時の顔が頭から離れない。
早くこの瞬間が終わり、明日になるのが待ち遠しかった。
「……………か」
紅薔薇太夫は小さく呟いた。
男は手を止めて紅薔薇太夫を見る。
「なんと?」
「………わたくしは、壊れてしまったのでしょうか…?」
心臓が痛かった。
今にも涙がこぼれ落ちそうだった。
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八重菊(プロフ) - コメントをさせていただきます。もうホンマに、マジで泣きました。ここまで泣いた作品は初めてです.........!素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年8月15日 1時) (レス) id: 4b3ed537f2 (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - ものすごく心に残るお話でした。来世で必ず一人の女の子として、銀さんと幸せになってほしいと思いました。 (2020年4月25日 16時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 45話読んだときは、「紅薔薇太夫!何で!?」って思った。でもその後の話を見てたら、何だか腑に落ちた。幸せなまま…… すごくいいお話でした。 (2019年1月3日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 泣いた。いやめっちゃ泣いた。 (2019年1月3日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - ハニーさん» コメントありがとうございます。愛着湧いてしまった夢主ちゃんだったからこそ、早く解放してやらなきゃな…という使命感に駆られてこうなりました笑 (2018年12月10日 3時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2018年10月27日 14時