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【NORMAL】




客や日輪や月詠からも噂される紅薔薇太夫。
今日初めて聞いたことだがなぜそんなに人気を誇るのか少し気になった。
銀時は2人に訊ねる。




「その紅薔薇太夫ってのはどんな女なんだ?」



「あら銀さん気になるの?」



「まぁな。絶世の痴女かもしれねぇだろ?」



「お主のひん曲がった女性癖は聞いとらん」




月詠はつまらなさそうに煙管をふかした。
日輪は遊女の名簿を探った。
そして1枚のページを銀時に向ける。




「それが紅薔薇太夫だよ」




銀時は名簿を受け取った。
そこには遊女の顔写真が載せられていた。
だが銀時は思わず息を飲んだ。


まるで病弱ではないかと疑いたくなるほどの白い肌に、漆黒の黒髪、赤い紅が印象的だった。
遊女の化粧はほとんどが厚化粧だが彼女は違った。
薄い化粧だからこそ、真っ赤な紅が良く映えていた。




「なんつーの……赤が良くお似合いで」




「だから紅薔薇太夫なんて呼ばれてるんだろうねぇ」




日輪は嬉しそうに頷いた。
銀時は静かに名簿を閉じて日輪に返す。
だが頭では紅薔薇太夫の顔を思い浮かべていた。


写真だけでも十分に伝わった。
紅薔薇太夫の瞳は"自分と似ている"。
そのため直感だけですぐに分かることがあった。




「日輪、一度この紅薔薇太夫に会わせてくんね?今じゃここ一番の遊女っつっても過言じゃねぇんだろ?」




「まあそうだけど……酌だけよ?それ以上はいくら銀さんでもお金頂くから」




「安心しろ。酌以外何も望まねぇから」




写真からも妖艶で美しい魅力が溢れ出ていた。
だが銀時はそんなものはどうでも良かった。
惹き付けられた魅力はもっと別のものだ。


それはきっと、決して美しいものではない。
美しいものには棘がある。
彼女はまさにそれだった。

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八重菊(プロフ) - コメントをさせていただきます。もうホンマに、マジで泣きました。ここまで泣いた作品は初めてです.........!素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年8月15日 1時) (レス) id: 4b3ed537f2 (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - ものすごく心に残るお話でした。来世で必ず一人の女の子として、銀さんと幸せになってほしいと思いました。 (2020年4月25日 16時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 45話読んだときは、「紅薔薇太夫!何で!?」って思った。でもその後の話を見てたら、何だか腑に落ちた。幸せなまま…… すごくいいお話でした。 (2019年1月3日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 泣いた。いやめっちゃ泣いた。 (2019年1月3日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - ハニーさん» コメントありがとうございます。愛着湧いてしまった夢主ちゃんだったからこそ、早く解放してやらなきゃな…という使命感に駆られてこうなりました笑 (2018年12月10日 3時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2018年10月27日 14時

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