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【NORMAL】
か細く甲高い声が部屋に響いた。
不安定に速度を加える声、軋む畳の音。
満月の灯火に部屋が照らし出され、障子には重なり合う男女の陰影が写し出された。
「ふぅ、こんなに綺麗な女は生まれて初めて出会った」
男に背を向けて七襦袢を着込む女はその手を止めた。
振り返ると男は布団の中で頬杖をつき女を見つめていた。
女は何も言わず静かに立ち上がった。
そのまま男の元へ近づくと腕を引かれ、胸の中へと引きずり込まれる。
「男としてそろそろ限界を迎えると思っていたが今はまるで違うな。むしろ今が一番活気だっている気がする」
2人は見つめ合ってから顔を近づけて何度も唇を重ねた。
次第に男は女の首筋をなぞるように舌を動かした。
また女が整えたばかりの七襦袢の下に手を滑らせる。
女は忍び込む男の手に自身の手を重ねた。
「昨晩だけでは満足致しませんでしたか?」
「その逆だ。満足の限度を超えむしろこれ以上無いほどお前を求めてしまう」
男は女の豊満な胸を大きな手で愛撫した。
女は唇を噛み締めて全身を駆け巡る快感を受け取った。
そのまま男の首に手を回して唇を舐める。
「やはりお前も昨晩だけでは足りなかったみたいだな?」
「わたくしは殿方様とは違ってまだ満足出来ていませんもの」
挑発的な女の言葉に男は不敵に笑った。
そのまま女を押し倒し、乾いていた身体に触れる。
女の身体は物欲しそうにどんどん疼き出した。
「まだ時間内だろう?たっぷりと啼くといい」
男はゆっくり女の胸に顔を埋めた。
女は静かに目を閉じて男の温もりを感じる。
────────薄らと開けた目は酷く冷めており、小さく漏れる声とは不釣り合いだった。
「もっとその声を聞かせておくれ────紅薔薇太夫よ」
何も知らない男は呑気に雰囲気に飲み込まれていた。
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八重菊(プロフ) - コメントをさせていただきます。もうホンマに、マジで泣きました。ここまで泣いた作品は初めてです.........!素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年8月15日 1時) (レス) id: 4b3ed537f2 (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - ものすごく心に残るお話でした。来世で必ず一人の女の子として、銀さんと幸せになってほしいと思いました。 (2020年4月25日 16時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 45話読んだときは、「紅薔薇太夫!何で!?」って思った。でもその後の話を見てたら、何だか腑に落ちた。幸せなまま…… すごくいいお話でした。 (2019年1月3日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 泣いた。いやめっちゃ泣いた。 (2019年1月3日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - ハニーさん» コメントありがとうございます。愛着湧いてしまった夢主ちゃんだったからこそ、早く解放してやらなきゃな…という使命感に駆られてこうなりました笑 (2018年12月10日 3時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2018年10月27日 14時