女房は世界一怖い。でも好き

今更 ページ30

銀さんside



俺達は今、とある商人の運ぶ、馬車の商品の中に紛れていた。



ガタガタと揺れる道が地味に背中に響く。




銀「............なぁぱっつぁん。本当大丈夫なのこれ？成功すんのこれ？危うい荷物検査とかでバレるんじゃないのこれ？」




新「言い出しっぺのアンタが今更なに言ってんですか」



神「銀ちゃん、ここの国ってセキュリティ厳しいアルヨ」



新「チン子ちゃんになりすましている以上、このまま堂々としないと。本末転倒にならないようにしてくださいね」




いや俺とてAを助けたいよ？


拒否られても絶対連れて帰るよ？



でもバレたら水の泡じゃねぇか。



入国は簡単でもこの先は大丈夫か？




銀「...............ところでよ、俺達どこへ向かってるんだ？」




新「........................さぁ」




神「何も聞いてないアル」



銀「すとぉおおおおっぷ！！！」





馬車が止まり小さな窓から商人のオッサンが顔を出す。




「どうした兄ちゃん？」




銀「ねぇオッサン、アンタどこ向かってる？」



「A様を訪ねたいんだろ？」




Aはこの国で有名な貴族の一人だった。



家柄も良くAのあの性格だ。



夜な夜なこっそり家から抜け出して下町に来ていたらしい。




庶民から愛される貴族のお嬢さんとか。



銀「Aの家ってどこだ？」




「A様のお屋敷に行ったって居ねぇぞ。A様は先日王宮へ入居したからよ」









oh......

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