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放課後の理科室は、いつにも増して静かで暗い。
俺は片手で電気を付け、一番近くの机にダンボールを置いた。
「ここで、良いですか？」
『うん、大丈夫よ。おかげで助かっちゃった。ありがとね。』
それだけ言うと、彼女はもはや自分の部屋とかしている理科準備室へと
靴を鳴らして入って行った。
……さて、仕事は終わった。
理科室の時計を見ると、時間はもう4時を過ぎている。
これはもう、部活始まったな。
なんて思いながらも、この人といられるならいいかという妥協が頭をよぎる。
せっかくの貴重な時間なんだ。
どうせいつも早く行っているし。
今日くらい、もう少し彼女の顔を見ていたいから。
『……そう言えば赤葦くん、部活大丈夫？』
ようやく彼女は、俺の部活に気付いたのか
ハッとしたように聞いてくる。
やっぱり、そういうところは抜けている。
「あぁ……たぶん、もう始まってますね。」
『ごめんね、先生が手伝わせたから！もう行って大丈夫よ？』
「んー、どうせ今行っても怒られるだけなんで、もう少しここにいます。」
怒られるかどうかは知らない。
どちらかと言うと、怒られないと思うけど、
彼女の焦る姿があまりにも面白いから、
このくらい良いだろう。
『尚更ダメじゃない！私のせいで赤葦くんが怒られたらかわいそうだもの……！』
「焦りすぎですよ、自分のことでもないのに。」
『それは焦るでしょう？あなたは私の生徒なんだから！』
……私の生徒、ね。
やっぱり彼女の中で、俺の存在は一生徒としてしか映っていない。
彼女が同級生なら、俺はすぐにこの想いを伝えていただろう。
だけど、生徒と教師という今の関係が
それを拒んでいる。
やり場のない、どうしようもなく好きで仕方がない感情を
抑えたまま、しまっておかなければいけない。
「……先生は、お人好しすぎるんですよ。」
『……え？』
「だからすぐ、嘘を
『嘘って……じゃあ、』
「まぁ、その辺は上手く対処できますしね。」
『……もう、よかったわぁ。そうね、確かにこんなに良い子が怒られるわけないかな。』
でも、嘘つくのは悪い子ね。
そう言って笑うあなたに
この気持ちを伝えることができるようになるのは
いつなんでしょうね、A先生。
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流南涙(プロフ) - ハクさん» そう言ってもらえて嬉しいかぎりです！わざわざコメントまでありがとうございます！ (2019年3月28日 18時) (
レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
ハク - 赤葦の新たな一面が見れた気がします! 面白かったです！ (2019年3月28日 16時) (レス) id: ce8572a894 (このIDを非表示/違反報告)
流南涙(プロフ) - 崔さん» 最高だなんて……ありがとうございます！更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年3月27日 22時) (レス) id: 922addf14e (このIDを非表示/違反報告)
崔(プロフ) - 最高です…。これからも応援してます。 (2019年3月27日 21時) (レス) id: a6c3821a9f (このIDを非表示/違反報告)
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