102 夢主side ページ3
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「石燕さん…。頼みがあるんですけど…。」
「何ですか?」
国木田さんの大胆なお褒めの言葉の後におずおずと、鏡花ちゃんと一緒にやって来る敦君。
敦君の話では、Qの異能によって春野さんと、ナオミちゃんに怪我を負わせてしまった事を謝罪したいそう。
でも、まだ敦君が怖いかもしれないだろうから、呼び出して欲しいらしい。
「判りました。けど、敦君。」
「何ですか?」
「そこまで気負わなくても大丈夫ですよ。」
私がそう言っても理解が追いつかないのか、首を傾げる敦君。…少し、治君が敦君を弄る理由が判った気がします。
行きましょうか。と、鏡花ちゃんの手を引き二人の元へ行く。
「春野さん、ナオミちゃん」
私が呼びかけ、鏡花ちゃんが二人を敦君の方へ連れる。
「済みませんでした……!」
綺麗なお辞儀で、Qの異能で酷い事をした事を謝罪する敦君。
あ、潤君が聞いてる…。…拙いのでは…?
敦君が謝るものの、二人は一瞬何の事か判らなかったようで数秒して気づく。
「敦くゥん?今の話、初耳なンだけど?」
時には、裏切りも大事ですよね。そう思い、助けを求めている敦君に手を振り、その場を後にした。
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作者名:楓 | 作成日時:2021年4月11日 11時