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「太宰が行方不明ぃ?」
「電話も繋がりませんし、下宿にも帰ってないようで…。」
心配そうに言う敦。だが、周りは違った。
「また川だろ。」
「また土中では?」
「また拘置所でしょ。」
「また女性に声を掛けて問題になっているのでは?」
上から順に国木田、賢治、乱歩、石燕だった。皆酷い回答だったが、石燕が最も酷い回答だった。
「しかし、先日の一件もありますし…」
真逆マフィアに暗殺されたとか…と、言う敦。
「阿保か。
あの男の危機察知能力と、生命力は悪魔の域だ。
あれだけ自 殺未遂を重ねて、まだ一度も死んでない奴だぞ。
己自身を殺せん奴を、マフィア如きが殺せるものか。」
国木田の言った事に納得いかない敦。異論を言おうとすれば、ボクが調べておくよ。と言う声が聞こえた。
「潤君。無事でしたか。」
「与謝野先生の治療の賜物だな。谷崎、
_____何度解体された?」
先程まで、笑顔だった谷崎の表情が消える。
「…四回…」
「「「「あーー…」」」」
谷崎がそう言えば、敦以外は同情している様だった。
敦に怪我をしないように言う谷崎。それをよく分かっていない敦。
「マズいと思ったらすぐ逃げる危機察知能力だね。
たとえば…
_____今から十秒後」
「?」
「(!おっと、、まあ、潤君は自分でどうにかするでしょう…。
異能力 『百鬼夜行 茨木童子』)」
乱歩の言った事が理解出来ない敦。
しかし、理解した石燕は、異能で鬼になり身体強化をする。そして、国木田、乱歩、賢治を抱えて窓から飛び降りる。
すると、探偵社に入ってくる与謝野。
「すまない。石燕。助かった。」
「いや〜、本当に助かりました!」
「さすが石燕だね〜。」
「いいえ。大丈夫ですよ。」
うずまきに入って、やり過ごしましょう。と微笑みながら言う、石燕の意見に誰も反対しなかった。
よっぽど、与謝野との買い物に良い記憶がないのだろう。
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作者名:楓 | 作成日時:2021年2月28日 20時