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そろそろ、夜になりそうな頃、国木田が探偵社に帰ってきた。





「あら、お帰りなさい。国木田さん。」

「おぉ!お帰りなさい!国木田!」

「国木田〜。僕はパスだからね!」





上から順に、石燕、賢治、乱歩の順だ。乱歩の発言に、ピンと来ないのか何人かは首を傾げていた。






「すみません?」





国木田も、乱歩が何を言っているのか分からない人だった。







「国木田さん。

治君から、何か伝言があるのではないですか?」






そう石燕が問えば、思い出したのか、ハッとする国木田。






「あぁ…。そうだ。あの唐変木め…!」





嫌味を言いながら、懐から紙を取り出す。


取り出された紙の内容を見た瞬間、国木田の絶叫が響いた。






「国木田さん。ご近所さんにご迷惑ですよ。」







咎めるように言いながら、国木田が見ていた紙を見る。









「どれどれ…

『十五番街の西倉庫に虎が出る 逃げられぬよう周囲を固めろ』


成程。なんて簡潔な文なんでしょうね。」



「こらッ、石燕!そこじゃあないだろう‼」



「国木田、怒り方が母親みたくなってるよ。」



「わぁ〜。虎が出るんですか?楽しみです!」






石燕の発言に怒る国木田。国木田を宥めている与謝野。虎が出るのかと、喜んでいる賢治。






「だから、乱歩さんは面倒くさかったんですね。」

「当たり前じゃないか。」




乱歩が嫌がる理由を理解した石燕。





「…乱歩さん。お願いします。
貴方の力が必要です。」






そう言い、乱歩に頭を下げる国木田。

それを聞いた乱歩は、とても嬉しそうな顔をしており、探偵社からは、笑い声が聞こえたそうだ。









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作者名: | 作成日時:2021年2月28日 20時

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