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「…そうですか。」
そう鏡花に言う石燕。
鏡花の言葉に驚いたが納得したところもあった。
「俺達は先に社に戻って報告する。
…敦」
顎をくいっ、として外に出るよう促す国木田。
「…あら、私は？」
自分が呼ばれていないことを不思議に思ったため国木田に問う石燕。
「石燕はそこで見張っていろ。」
「わかりました。」
石燕の返事を聞けばその場から去る国木田と敦。
自分がどんな処罰に遭うのか分かっているのか暗い表情をしている鏡花。
「(_____あぁ。この子が過去の私に見えてくる…。)」
最愛の両親を亡くし、自分の手は誰の血かわからないぐらい赤く汚れてしまったのだ。
「…鏡花ちゃん。」
「？」
おいで、と自分の隣を指す石燕。鏡花は、不思議に思いながらも近づく。
「‼」
「ふふっ。」
頭を撫でると目を見開いている鏡花。その姿が可愛らしく思った石燕は笑う。
「わかりますよ、鏡花ちゃん。
_____家族を失うのは辛いですよね…。」
「え？」
図星を突かれたのか目を開く鏡花。石燕はそんな事を気にせず鏡花の頭を撫でながら話を続ける。
「私もね、家族を亡くし選択肢が無かった為半ば強制的にある組織に連れて行かれましてね…。
_____でも、探偵社に入ってから大分変わりました。
理不尽な世界が好きになりました。自分の異能が好きになれました。
私も人を助けれるんだと思えるようになりました。」
「…だからね、鏡花ちゃん。
諦めたらダメですよ。」
石燕の言葉によって
_____鏡花の瞳が揺れた。
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作者名：楓 | 作成日時：2021年2月28日 20時
