幼なじみの少女 ページ1
高校2年の6月5日、湿気の強い雨の日だった。
幼なじみの少女、葵が死んだ。
あまりにもあっさり、まるで僕のために与えられた天使だったのではないかと思うほど、儚く彼女は消えてしまった。
僕の世界から、「
水瀬葵は、実際天使だったのかもしれない。
ある意味、天から与えられた救い。
人の世の道理を越えた、あまりにも濁った存在。
同じ時間軸を生きた17年目。
彼女は、17年5ヶ月の使用期限を全うし、消えた。
全てはこの瞬間のためだけに、彼女は自分の人生を溝に捨てた。
初めから、17年5ヶ月午後18時5分に切れるように設定されていたエネルギータンク。
全てが、予めプログラミングされていた台詞の数々。
今日死ぬはずだった僕を守るためだけに生まれてきた存在。
水瀬 葵という名の付いた、天使というべきか、人工物と言うべきか。
少なくとも彼女は、僕の幼なじみとして生きた。
僕は、彼女を好きだったのだろうか。
その感情が、恋だったのか、憧れだったのか、またはどこか心の奥底に眠る同情の類だったのかはよく分からない。
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やっさん(プロフ) - 新作おめでとうございます。いきなり、藪から棒に!?の衝撃のスタート。どうやら、回想録設定の物語のようですね。続きが、楽しみです♪。 (2020年9月5日 11時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yuki | 作成日時:2020年9月5日 0時